写真・図版 5月19日、東京電力は、柏崎刈羽原発6、7号機が10月から順次再稼働することを前提に、15年度に1780億円(単体)の経常利益を見込む収支想定を金融機関側にこのほど示した。写真は広瀬社長、4月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[PR]

 [東京 19日 ロイター] - 東京電力<9501.T>は、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が今年10月から順次再稼働することを前提に、2015年度に1780億円(単体)の経常利益を見込む収支想定を融資金融機関側にこのほど示した。関係者が19日、明らかにした。黒字ならば3年連続になる。

 同社は再建計画(総合特別事業計画=総特)の改訂作業を進めており、金融機関からの融資継続を取り付ける狙いで収支想定を示した。東電と原子力損害賠償・廃炉等支援機構は6月にも改訂版を政府に提出する。

 柏崎刈羽6、7号は原子力規制委員会による審査が続いており、再稼働に必要な合格判定がいつ出るのか現時点では不透明だ。「福島原発事故の検証と総括」の必要性を強調する泉田裕彦・新潟県知事の同意を取り付けるめどもついておらず、10月再稼働との前提には「非現実的」との批判も出そうだ。

 東電は4月28日の14年度決算発表で、15年度業績予想について原発再稼働時期を示すことができないため「未定」とした。

 昨年1月に政府認定を受けた現行の総特では、柏崎刈羽6、7号が14年7月から順次再稼働するとしたが、結果的に現実からかけ離れた前提だった。

 収支計画への影響が大きい原発再稼働の想定時期が大幅にずれ込んだことに伴い、東電と原賠支援機構は総特の改訂作業を進めてきた。今後の作業で、「10月再稼働」の前提に無理があると判断すれば、12月など時期を後にずらす可能性もある。

 12月にずれ込んだ場合の収支は、コスト削減の深掘りなどにより10月再稼働の前提に比べて大きな差が出ないように調整する方向だ。

 <賠償金、総額にめど狙いか>

 今回の総特改訂の注目点は再稼働想定時期の見直しだけではない。福島原発事故の被害者に支払う賠償金について、対象期間に一定の限度を設け、東電が賠償金の総額にめどをつけることが主眼とみられている。

 ただ、避難生活を強いられたり、事業再開にめどがつかない状況が続く被害者からは、賠償期間に「終期」を設けることには強い反発が予想され、調整が難航する可能性も否定できない。

 

 (浜田健太郎)