写真・図版 6月のロイター企業調査によると、今後3年間の課題は「内需縮小」と回答した企業が40%にのぼり、次いで「人手不足」が34%となった。東京の建設現場で2016年6月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

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 [東京 21日 ロイター] - 6月ロイター企業調査によると、今後3年間の課題は「内需縮小」と回答した企業が40%にのぼり、次いで「人手不足」が34%となった。人手不足に伴い供給面などで制約が出てくるとの回答は全体で17%、卸・小売やサービス業では3割がサービスを制限せざるを得なくなると回答した。

 一方で人件費は緩やかな上昇にとどまるとみており、人手不足には賃上げよりも研修などを含めた人材投資で乗り切ろうとする企業が多い。 

 この調査は資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に6月2日─15日に実施。回答社数は220社程度。

 <内需縮小と人手不足、最大の課題>

 調査によると、今後3年間の事業見通しで最も大きな課題となるのは、製造業では「内需縮小」との回答が44%を占め、人手不足が25%となった。非製造業では逆に「人手不足」が45%と最も多く、内需縮小が36%と続く。

 「足元から19年頃までは現場での人手不足に加え、商社など営業職人材も不足する。その後2022年頃から建設需要が激減することは明白で、内需縮小が課題となる」(卸売)として、時間差を伴って2つの主要な課題が迫ってくるとの認識もある。

 内需縮小については「国内自動車販売減少に伴う生産減」(輸送用機器)、「住宅市場の縮小」(不動産)、「地方経済の減退で全国ネットワークの維持に課題」(小売)といった問題が挙げられている。これに対し、「打つ手がない」(輸送用機器)、「新しい市場開拓が喫緊の課題」(その他製造)といった指摘があった。

 <人手不足、すでに事業面で制約>

 人手不足について製造業では既に「納期遅延により注文を失った」(機械)、「事業推進や拡大が停滞している」(化学)、「運転手不足で輸送にネックが生じている」(鉄鋼)といった影響が出ている。

 現場の技術者不足を挙げる声が最も多く、「受注活動の制約を懸念している」(金属)、「このままだとエンジニアリング力が低下することが懸念される」(電機)といった危機感もみられる。「労働集約型からの転換が必要となっている」(輸送用機器)との声もある。

 非製造業では「若手労働者不足」(運輸)との声が目立つ。特に営業職の不足を訴える企業が最も多い。 

 今後3年間で必要な労働力を確保できるかとの問いには、製造業の19%、非製造業の34%が「できそうにない」と回答。さらに人手不足のためにサービスを制限せざるを得なくなるとの回答は、製造業で14%、非製造業で21%を占めた。

 それでも、賃金への波及は鈍く、「大幅に上昇する」との回答はわずか2─3%。「やや上昇する」が70─80%を占めた。

 どうやって必要な労働力を確保するか聞いたところ、一番多かったのが「研修など人材投資拡大」で、製造業で50%、非製造業で45%となった。「賃上げ」はそれより少なく、製造業では16%、非製造業では35%だった。

 *見出しを修正しました。

 

 (中川泉 編集:石田仁志)