写真・図版 10月9日、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)がルクセンブルクで開催され、ユーロ圏の統合深化における欧州安定メカニズム(ESM)の役割などについて協議した。同会合で出席するユーロ圏各国の経済相(2017年 ロイター/Eric Vidal)

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 [ルクセンブルク 9日 ロイター] - ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が9日にルクセンブルクで開催され、ユーロ圏の統合深化における欧州安定メカニズム(ESM)の役割などについて協議した。

 同グループのデイセルブルム議長(オランダ財務相)は会見で「ESMは、危機の管理だけでなく将来の危機を防ぐための非常に強力な役割を担うとの見解で、全会一致した」と述べた。危機を未然に防ぐというESMの役割は、欧州連合(EU)法で政府政策を監督し勧告する唯一の機関と定められた欧州委員会との衝突につながる可能性がある。

 だが、会合に向けてドイツが準備した政策方針書は、財政上の責任と調整は同じところに属しているとし、EUの財政規律である「安定成長協定」の順守においてESMの役割を拡大するよう求めた。

 この方針書は、安定成長協定が複雑で予測が難しくなっていると指摘し、政府の政策決定にもっと規律を取り戻す手段として、債務再編メカニズムを導入してESMに監督させることを提案した。

 9日の会議では決定は下されなかったものの、デイセルブルム議長は、EUの単一破綻処理基金(SRF)の補強にESMを利用することについて財務相らは広く支持したと話した。

 SRFは経営難に陥ったユーロ圏の銀行の破綻処理費用を負担するために設立されたもので、破綻処理制度を一元化する銀行同盟計画の一環。現在は約170億ユーロの資金で賄われており、2023年には上限の550億ユーロに達する見込み。

 欧州では共通の銀行預金保護制度「欧州預金保険スキーム(EDIS)」を設立しようとする動きがある。これには以前からドイツが反対しているが、賛成が得られれば、EDISもESMに補強させようとの考えが出ている。ドイツは今回の方針書で「ESMにかかる負担が重くなり、深刻な危機に陥った加盟国を支援するという主目的に反する」と反対した。

 同国はESMを欧州版の国際通貨基金(IMF)である「欧州通貨基金(EMF)」に衣替えさせ、将来の金融危機時にIMFや欧州中央銀行(ECB)が関与する必要性をなくしたいとの意向を持っている。

 

 

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