写真・図版 12月7日、新日鉄住金の栄敏治副社長はインタビューで、2018年度も好調な鋼材市況が続くとの見方を示した。写真は都内の同社前で2012年11月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)

[PR]

 [東京 7日 ロイター] - 新日鉄住金<5401.T>の栄敏治副社長はロイターのインタビューで、2018年度も好調な鋼材市況が続くとの見方を示した。

 栄副社長は「世界の鉄の需要は18年度も強いと思っている」と述べた。神戸製鋼所<5406.T>など素材産業で品質管理の問題が相次いでいることについて栄氏は、孫会社などを含めたグループ全体で「品質管理体制の強化は引き続き取り組んでいきたい」と話した。同社は、今期は3年ぶりとなる経常利益の増益(前年比71.9%増の3000億円)を見込む。現在の予想が上振れする可能性について栄副社長は「まだ予測は難しい」と述べた。

 良い材料として「世界的に鋼材マーケットが堅調で、これが当面続きそう」なことを挙げつつ、「原料が高騰している。鉄鉱石は上がっているが、鋼材価格に連動するので心配していないが、(原料の)石炭がここに来て大きく上がっているが、予算には入れていない」と説明した。

 シンガポール商品取引所に上場されている原料炭先物価格<SCAFc1>は、11月以降に3割近く上昇し、足元はトンあたり220ドル前後で推移している。栄副社長は、荷役設備の工事や今年前半の大雨の影響などで豪州の供給力が低下していることが要因とし、原料炭価格について「1?3月期は200ドル以上が確実に続くだろう」と述べた。

 神戸製鋼、三菱マテリアル<5711.T>、東レ<3402.T>といった素材メーカーで品質データの改ざん問題が相次いて表面化。日本のモノづくりへの信頼感を揺るがしかねない不祥事に対して、栄副社長は「自分たちとしては(品質管理で)地道な活動を続けていると考えているから、慌てて何かやる必要はないと思っている」と述べた。

 <グループ全体の品質管理、一段の強化課題に>

 一連の品質問題を巡っては「多くが子会社で起きている。日本企業は品質管理に弱い」(経済産業省幹部)との指摘も聞かれる。

 栄副社長はグループ全体の品質管理について「われわれも子会社に対する品質監査を定期的にやっている」としながらも、「ただ、より強化しないといけないところがある。孫会社や曾孫会社を含めると、(品質監査を)同じ頻度でやるかというと手が回っていない。グループ全体の体制強化には引き続き取り組んでいきたい」と答えた。

 *このインタビューは5日に実施しました。

 

 (インタビュアー 浜田健太郎、大林優香)