写真・図版 9月18日、共用オフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーが年内に予定している新規株式公開(IPO)について、市場では実現のハードルは高いとの声が出ている。写真はニューヨークにある同社の共用オフィスの外に掲げられたロゴ。1月撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

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 [ニューヨーク 18日 ロイター] - 共用オフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーが年内に予定している新規株式公開(IPO)について、市場では実現のハードルは高いとの声が出ている。

 事情に詳しい関係筋が明らかにしたところによると、ウィーカンパニーは今週の投資家向け説明会(ロードショー)開始に向けて準備していたが、投資家が十分に集まらないとの懸念から、16日に急きょ中止を決めた。

 関係筋によると、ウィーカンパニーは好調な7─9月期決算を発表した上で10月にもIPOを開始したい考え。

 ただ第4・四半期は、年末を控え多くのファンドマネジャーがポートフォリオの入れ替えに消極的になるため、IPOへの応募が低迷する可能性がある。

 ウィーカンパニーはIPOで少なくとも30億ドルの調達を目指しているが、リフィニティブのデータによると、米国で調達額が30億ドルを超えたIPOは2001年以降21件。うち10月に実施されたIPOは2件しかない。11月は1件、12月はゼロだ。

 ウィーカンパニーの業績は大幅な赤字。関係筋によると、同社は先月、銀行と60億ドルの融資契約を締結したが、年内のIPOで最低30億ドルを調達するか、他の資金調達手段を探すことが融資の条件となっている。

 ブルペン・キャピタルのゼネラル・パートナー、ダンカン・ダビッドソン氏は「年末にIPOを実施すれば、感謝祭からクリスマスの時期と重なる。その時期には市場参加者は休暇に入っているだろう。IPOは実施せざるを得ず、10月か11月初旬になる公算が大きい」との見方を示した。

 関係筋によると、ウィーカンパニーのアダム・ニューマン最高経営責任者(CEO)はイスラエルの出身で、ユダヤ教の祝祭日期間中のIPO実施にも消極的という。9月29日─10月1日(ロシュ・ハシャナ)と10月8─9日(ヨム・キプル)がユダヤ教の祝祭日にあたる。

 ウィーカンパニーを巡っては、企業統治やビジネスモデルの持続性に対する懸念が浮上しており、同社は先週末、CEOの影響力をやや弱める企業統治の見直しを発表した。

 ルネサンス・キャピタルのプリンシパル、キャサリーン・スミス氏は「IPOを再開して市場で高い評価を得るには、さらなる進展を図り、投資家を安心させる必要がある」との見方を示した。

 ウィーカンパニーのコメントはとれていない。