写真・図版米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は18日、フェデラル・ファンド金利を誘導目標の範囲内に維持するため、レポ取引を通じて750億ドルの資金供給を実施した。写真はワシントンのFRB本部。昨年8月撮影(2019年 ロイター/Chris Wattie)

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 [ニューヨーク 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は18日、フェデラルファンド(FF)金利の実効レートが金融危機以降初めてFRBの誘導目標を超えたことを受け、前日に続きレポ取引を通じた資金供給を実施し、750億ドルを市場に供給した。

 資金供給を受け、銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金利は低下し、米東部時間正午前後の時点で2.10─2.25%となった。資金供給実施前は2.60─3.00%だった。

 FRBは17─18日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、FF金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、1.75─2.00%とすることを決定した。[nL3N2693NC]

 アナリストは、銀行間資金調達市場の一段のボラティリティーを防ぎ、銀行システムの準備預金を恒常的に増やすためには、銀行が必要に応じて米国債を超過準備に転換することを可能にする「スタンディング・レポ制度」や超過準備への付利(IOER)の引き下げ、バランスシートの拡大などFRBによる長期的な対応が必要だと指摘する。

 FRBは18日、IOERを30bp引き下げ1.80%とすることも決定した。

 NY連銀が18日公表したデータによると、FF金利の実効レート<USONFFE=>は17日に2.30%に上昇し、金融危機以来約10年ぶりにFRBの誘導目標を超えた。

 こうした状況が続けば、FRBに対する市場の信頼が揺らぐことになる。

 オックスフォード・エコノミクスのマクロ戦略ディレクター、ゴーラブ・サロリナ氏は「FRBが短期金融市場の流動性のコントロールを失い、金利を制御できていないという印象を与える」とし、「比較的早期に対応しなければ信頼低下につながる可能性がある」との見方を示した。

 NY連銀は18日夜、FF金利を誘導目標の1.75─2.00%の範囲内に維持するため、19日朝にレポ取引を通じた資金供給オペを実施すると明らかにした。

 <波及懸念は現時点で限定的>

 短期金融市場の問題が広がるとの懸念は今のところ高まっていない。

 ブッチャー・ジョセフ・アセット・マネジメントのマネジング・プリンシパル、ケン・ポルカリ氏は「懸念すべきシグナルだとは思わない。例外的な状況だろう」と述べた。

 短期金融市場で金利が上昇している理由としては、四半期の法人税納付や国債入札の決済立て込みに伴う混乱が指摘されている。翌日物レポ金利は17日、一時10%に跳ね上がった。

 ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米金利戦略部長、スバドラ・ラジャッパ氏は「レポ市場の変動を抑えるためにFRBがどのように対処するのか注目される」と述べた。

 *内容を追加しました。