写真・図版11月15日、米FRBは報告書で金融システムは全体的に安定していると評価する一方、高水準の企業債務や世界的に長期化する低金利の影響、暗号資産(仮想通貨)などがリスクになる可能性を指摘した。写真は3月19日、ワシントンのFRB(2019年 ロイター/Leah Millis)

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 [ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は15日公表した半期に一度の金融安定報告書で、金融システムは全体的に安定していると評価する一方、高水準の企業債務や世界的に長期化する低金利の影響などがリスクになる可能性を指摘した。中でも法定通貨に価値が裏付けされた暗号資産(仮想通貨)、ステーブルコイン(安定通貨)計画を巡るリスクを強調した。 

 金融安定を巡る全般的な状況は前回5月の報告からほとんど変わっておらず、「金融セクターの中核には耐性があるようだ」とした。その上で、商業用不動産など一部の資産価値は高いとしたものの、「リスク選好度」は「過去の基準」と整合的な水準にあると感じられるほか、家計債務は「収入と相対して控えめ」な水準にあると指摘。大手行のレバレッジは低水準にあるとしたほか、変動の大きい短期資金の利用に起因するリスクは金融機関にとって微小に過ぎないとの見解を示した。

 一方、報告書は記録的な高水準にある企業債務に対する懸念を強調。一部FRB当局者は事業環境が悪化すれば問題化し、景気後退に陥った場合はこれが増幅されると懸念している。このほか、世界的な低金利により、銀行や保険会社、年金基金のリターンが徐々に失われ、次第により大きなリスクを取らざるを得なくなる可能性があるとした。

 FRBのブレイナード理事は声明で「非常に低水準の信用スプレッドと、レバレッジドローンなどを通じて高水準に積み上がった非金融企業の債務という組み合わせは警戒の強化に値する。中期的には、長期化する低金利環境とそれに伴う利回り追求の動き、そして債務の拡大により、金融の脆弱性が高まる可能性がある」と指摘した。 

 FRBが今回の報告書で最も多くのページ数を割いたのは、フェイスブック<FB.O>が導入を計画している暗号資産「リブラ」などに代表されるステーブルコインを巡る懸念。 

 こうした通貨は取引の新たな手段になり得るとしながらも、広範な基盤を持つステーブルコインの構造が粗末だったり、規制が不十分だったりした場合、金融システムは「深刻な結果」に直面することになると警告。「ステーブルコイン決済ネットワークが世界的に急速に拡大する可能性は、金融安定、金融政策、資金洗浄・テロ支援対策、消費者と投資家の保護に対する重大な課題とリスクになる」とした。

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