写真・図版米商務省が19日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比3.8%増の131万4000戸だった。ロサンゼルスで昨年7月撮影(2019年 ロイター/LUCY NICHOLSON)

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 [ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比3.8%増の131万4000戸だった。市場予想は132万戸だった。着工許可件数は12年5カ月ぶりの高水準となり、住宅ローン金利が低下する中、住宅市場が力強さを増していることが裏付けられた。 

 9月の着工件数は当初発表の125万6000戸から126万6000戸へ改定された。10月の前年同月比は8.5%増だった。

 前月比の内訳は、市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅が2.0%増の93万6000戸と、9カ月ぶりの高水準だった。地域別では西部と中西部、人口の多い南部で増えた。一方北東部は減少した。月々の変動が激しい集合住宅は8.6%増の37万8000戸だった。

 住宅着工の許可件数は前月比5.0%増の146万1000戸と、2007年5月以来、12年5カ月ぶりの高水準。一戸建て住宅が3.2%増の90万9000戸と、07年8月以来の高水準だった。集合住宅は8.2%増の55万2000戸だった。 

 クイックン・ローンズ(デトロイト)のキャピタル・マーケッツ担当バイスプレジデント、ビル・バンフィールド氏は今回の統計について、「住宅購入を考える人達には朗報だ」と指摘。 

 MUFG(ニューヨーク)の首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「住宅購入に向けた資金調達コストはこれまでになく低下しており、建設業者も住宅を建てれば売れると認識している」とし、「住宅建設が堅調な限り、(米経済は)景気後退には陥らない」と述べた。

 住宅完成件数は10.3%増の125万6000戸。不動産業界では、在庫ギャップ解消には毎月の住宅着工件数と完成件数が150万─160万戸に達する必要があると見なされている。

 建設中の住宅は0.1%増の116万1000戸と、1月以来最大となった。

 ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオン(バージニア州)のコーポレートエコノミスト、ロバート・フリック氏は「住宅建設は需要に見合う水準にはまだ達していないが、(建設増の)トレンドが継続すれば、向こう数年間で需要と供給は均衡する可能性がある」と述べた。 

 金利に最も左右される住宅市場はここ数カ月、底堅さが増している。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和政策の効果が現れてきたもようだ。緩和策によって住宅ローン金利は昨年付けた数年来の高水準から低下した。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年住宅ローンの固定金利は現在は平均3.75%と、昨年11月のピークである4.94%を下回っている。ただ住宅市場は依然、用地と労働力不足が抑制要因となっている。前日発表された11月の住宅建設業者指数は1年半超ぶりの高水準を維持したが、調査先は「労働力不足や規制面での抑制要因」を指摘した。「用地不足が引き続き深刻な問題だ。注文住宅において特に言える」と付け加えた。

 住宅着工件数は8月に12年超ぶり水準に増加。ただ住宅ローン金利はここ2カ月間、再び上昇しており、着工件数の伸びは鈍化する可能性がある。

 FRBは先月、今年3回目となる利下げを決めた。7月に08年以来初めて利下げに踏み切った後、利下げを続けてきたが、今回は利下げの休止を示唆した。

 米中貿易摩擦が和らいでいる兆しを受け景気後退懸念は薄れてきたものの、個人消費が鈍化しているほか設備投資や製造業は依然として弱含んでおり、経済成長は減速している。

 前期まで6四半期連続で縮小していた住宅投資は第3・四半期に持ち直した。前期までの縮小期間は07―09年の景気後退期以来の長さだった。

 *内容を追加しました。