写真・図版米ダラス地区連銀のカプラン総裁は新型コロナウイルスの感染拡大に起因するリスクに言及しながらも、現在の米金利水準は年内を通して「おおむね適切」との考えを改めて示した。ワシントンの 米連邦準備理事会(FRB)で2018年8月撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)

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 [18日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は新型コロナウイルスの感染拡大に起因するリスクに言及しながらも、現在の米金利水準は年内を通して「おおむね適切」との考えを改めて示した。

 カプラン総裁は18日に公表したエッセーで、米経済は消費にけん引され2020年は2─2.25%の成長率を達成すると予想。失業率は3.6%から3.5%に低下するほか、インフレ率はFRBが目標とする2%に向け上昇していくとの見方を示し、米経済に対し比較的楽観的な見方を示した。

 その上で「中国を発生源とする新型ウイルスの感染拡大による影響は当然、こうした見通しに影を落としている」とし、ダラス地区連銀のエコノミストは、新型ウイルス感染拡大が米経済、および世界経済の成長に及ぼす影響について複数のシナリオを検証していると指摘。ただ「最終的に経済がどのような影響を受けるのか確信を持って予測するのは時期尚早だ」と述べた。 

 カプラン総裁はこのほか、墜落事故を受け運航停止となっている米航空機大手ボーイング<BA.N>の737MAXの製造遅延などが米経済の重しとなる可能性があるとの見方を示した。

 連邦準備理事会(FRB)は世界的な景気減速と通商問題を巡る先行き不透明性から米経済を守るために、昨年は3回の利下げを実施。ただカプラン総裁は、米中が通商交渉で「第1段階」の合意に達したことや、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き見通しが改善したことなどを挙げ、こうしたリスクは今年に入りともに後退したとの認識を示した。

 FRBのバランスシートについては、6月までに拡大ペースが若干鈍化することを望んでいるとし、銀行システム内の準備金が1兆5000億ドルに達した後は徐々に拡大すると見通した。

 カプラン総裁はこれまでにFRBのバランスシート拡大は金融市場の不安定化につながるとの懸念を示してきたが、今回のエッセーではこうした懸念は表明しなかった。

 原油市場については米国の産油量の伸びは今年は減速し、その結果、原油・天然ガス産業の設備投資は10─15%減少するとの予想を改めて表明。また「再生可能エネルギーの産出量の増加を巡る予測には幅があるものの、エネルギー業界で移行が起きていることは明白だ」とし、気候変動による影響を最小限に食い止めるための投資は米企業に「成長の大きな機会」になる公算があるとの考えを示した。