写真・図版 2月19日、ユーロが3年ぶりに1ユーロ=1.08ドルを割り込んだが、これは下落の始まりにすぎないかもしれない。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2015年5月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[PR]

 [19日 ロイター] - ユーロが3年ぶりに1ユーロ=1.08ドルを割り込んだが、これは下落の始まりにすぎないかもしれない。世界的なニュース動向、経済統計、オプション市場のポジション、どれを見てもユーロ安方向の材料となりそうだ。

 ユーロ/ドル<EUR=>は年初から約3.5%下落。18日にはドイツのZEW景気期待指数が大幅低下した一方、米国の製造業関連指数が予想を上回って欧米経済の明暗が分かれたため、さらにユーロ安が進んだ。

 昨年のユーロ/ドルは1.15―1.09ドルと、これまでで最も狭いレンジで推移したが、今年は早くもこのレンジを離れる可能性が示されている。また、今後の相場変動見通しを示す1カ月物インプライドボラティリティー<EUR1MO=FN>は、先月付けた過去最低から1%ポイント跳ね上がった。

 ユーロは欧州の低成長のほか、新型コロナウイルス感染拡大による経済損失、米国による貿易関税のリスク、低いボラティリティも圧迫要因となっている。ボラティリティの低い通貨は、高利回り通貨に対して「ショート(売り持ち)」するのに理想的だ。

 市場参加者の多くは、ユーロ/ドルは2017年1月に付けた17年ぶり安値の1.0340ドルが視野に入ると見ている。

 BMOキャピタルのFXストラテジー欧州責任者、スティーブン・ガロ氏は「肝の据わった人なら目を覆って(スポット市場で)ユーロを売ればいいが、ほとんどの人はオプションを使うだろう」と指摘。「今はユーロ下落に賭けるオプションを買う絶好の機会だ」と話した。

 米預託精算機関(DTCC)のデータによると、過去1週間でユーロの「プット(売る権利)」の需要が急増している。

 1カ月物のユーロ/ドルのリスクリバーサルを見ると、ポジションの劇的な変化が分かりやすい。5日時点ではまだ、ユーロのプットに対するコール(買う権利)のインプライド・ボラティリティ・プレミアムは2年ぶりの大きさだったが、今ではコールに対するプットのプレミアムに転じている。

 1.0775ドル前後にオプションのバリアがあるため、いったんはユーロの下落が一服している。しかしトレーダーは、同水準が最後の大きな支持線であり、1.0700ドルを割り込むと、さらに下落する可能性があるとみている。