写真・図版米商務省が29日公表した8月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は、赤字額が前月比3.5%増の829億3900万ドルだった。ニュージャージー州ニューポートで2017年11月撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

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 [ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日公表した8月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は、赤字額が前月比3.5%増の829億3900万ドルだった。企業が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)当初に枯渇した在庫を再び積み上げている。貿易が第3・四半期国内総生産(GDP)の押し下げ要因となる可能性を示唆した。

 赤字は拡大したものの、GDPが第2・四半期に1947年以来の落ち込みになったことを受け、第3・四半期は過去最大の伸びとなるとの見方は変わらない。

 米経済は夏期に事業再開や政府の支援策を追い風に伸びた。ただ新型コロナの感染数が増えているほか、企業や失業者に対する企業の支援資金が先細りしており、第4・四半期を前に経済活動は鈍化してきた。

 財の輸入は3.1%増の2012億8800万ドル。輸出は2.8%増の1183億4800万ドルと、輸入の伸びが輸出を上回った。

 輸入のうち消費財が7.0%増と伸びが目立った。食品と資本財も増えた。一方、産業用資材は減った。

 輸出は産業用資材と食品が増加。一方、自動車・同部品と資本財は減った。

 貿易は第3・四半期に2019年第2・四半期以来初めて、GDPの重しとなる可能性がある。ただ、輸入品の大半は在庫補充に充てられることを踏まえると、財の貿易赤字が拡大することによるGDPへの影響は限定的とみられる。

 商務省が別途発表した8月の小売在庫(速報値)は前月比0.8%増だった。7月は1.2%増加していた。8月は自動車・同部品が0.6%増。GDPの算出に用いられる自動車を除く小売在庫は0.9%増と、7月の0.6%増から加速した。

 8月の企業在庫(速報値)は前月比0.5%増と、7月の0.1%減から持ち直した。在庫投資は第3・四半期GDPの押し上げ要因となる見込み。これまで5四半期連続で押し下げ要因だった。