写真・図版 7月1日、豊田合成の宮崎直樹社長はロイターとのインタビューで、米国以外の地域で堅調さが見られないとして2015年4―6月期業績が「どちらかというと厳しめ」との認識を示した。宮崎氏は6月17日に社長に就任した。ウィーンで2013年4月撮影(2015年 ロイター/Heinz-Peter Bader)

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 [清須市(愛知県) 1日 ロイター] - 豊田合成<7282.T>の宮崎直樹社長は1日、ロイターとのインタビューで、米国以外の地域で堅調さが見られないとして2015年4―6月期業績が「どちらかというと厳しめ」との認識を示した。先行きも楽観しにくいという。LED事業は、中長期の事業計画を年内に公表することを明らかにした。宮崎氏は6月17日に社長に就任した。

 宮崎社長は、4―6月期の業績について「米国は比較的堅調にいっているが、それ以外の地域がそんなに調子が良いという感じではない」と話し、中国では大きいサイズの車が売れておらず、「仕事はあるが、利益には結びつきにくいという環境だ」と述べた。先行きも「全体的にそんなに楽観できる感じではない」と語った。

 <エアバッグ市場拡大に備える>

 タカタ<7312.T>製エアバッグ欠陥問題による大規模リコール(回収・無償修理)により、豊田合成のエアバッグ事業にも注目が集まっているが、宮崎社長は「タカタ問題とは別に、新興国を中心に法規制が強化されるためエアバッグ搭載率は高まる。エアバッグ市場は伸びていくと思う」と語り、市場拡大に備えて今後も生産体制など準備していく意向を示した。

 タカタ問題をめぐっては、エアバッグを膨らませるインフレ―ター(ガス発生装置)が異常破裂し、容器の金属片が飛散することによって乗員がけがなどする恐れがある。関連事故で世界では8人の死亡者が報告されている。

 豊田合成は主にエアバッグの組み立てを手掛け、インフレ―ターはダイセル<4202.T>などから多くを外注している。数年前から一部、内製化も進めているが、その比率はまだ低く、本格的な生産拡大は「しばらくない」との見解を示した。

 エアバッグ事業の強化やセーフティシステムとしての拡販に向けて、シートベルトを手がける東海理化<6995.T>など他社との連携を強める可能性については「現時点では考えていない」とした。

 <LEDは事業計画を策定中>

 立て直しが注目されるLED(発光ダイオード)事業について、宮崎社長は「円安効果があっても競争が厳しい」が、重要な分野と位置づけ、「中長期的な事業プラン」を策定中で年内に公表するとの考えを示した。LED事業は競争が厳しく、成長に向けて足踏み状態が続いている。15年3月期の営業利益は13億円で、ここ5年間のピークだった11年3月期(51億円)の4分の1にとどまる。

 14年末には1980年代から青色LEDの研究に協力して取り組んできた名古屋大学の赤崎勇・特別教授と天野浩教授がノーベル物理学賞を受賞。両氏の指導のもと同社は86年から青色LEDの研究に着手、95年に実用化した。

 宮崎社長は、受賞により「いきなり商売に結び付くことはないが、知名度は上がった」といい、受賞を追い風に従来のタブレット端末やパソコン向けバックライトなどに加え、自動車用ヘッドランプなどの受注に力を入れていくと強調した。

 

 (白木真紀 編集:宮崎大)