写真・図版 8月24日、新潟県の泉田裕彦知事は、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について「福島原発事故のどこにミスがあったのか、総括も社内処分も行われていない状況の中で再稼働を議論する段階、時期にない」と述べた。柏崎市で2009年5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

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 [東京 24日 ロイター] - 新潟県の泉田裕彦知事は24日、東京電力<9501.T>柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働について「福島原発事故のどこにミスがあったのか、総括も社内処分も行われていない状況の中で再稼働を議論する段階、時期にない」と述べた。都内で記者団に語った。

 泉田知事は、福島第1原発事故の最大の原因となった大津波の襲来について「予測し得たもので、裁判にもなっている」と指摘。事前対策を怠った東電を批判した。

 <津波予測、東電の説明に矛盾はないのか>

 大津波の予見可能性の存否については、全国で20カ所以上、原告数で1万人規模に膨らんでいる一連の福島第1原発事故の一部訴訟において重要な争点に浮上している。

 東電の旧経営陣らの責任を追及する株主代表訴訟では今年6月、福島事故発生の2年半前に行われた社内会議で、「津波対策は不可避」とする内部資料の存在が明らかになった。

 これらの裁判で東電側は、大津波は事前に予想できなかったと主張しているが、同代表訴訟の原告側は、新たに出てきた資料の内容と従来の主張との食い違いを指摘している。

 東電は24日、「原子力改革監視委員会」を開催。終了後、記者会見した姉川尚史常務執行役は「津波対策は不可避」とする文書と「津波は予想できなかった」とする従来の説明との齟齬(そご)について、「2013年3月に原子力安全改革プランでは、あの事故を天災と片付けてはいない。努力して回避すべきとのスタンス」だと説明した。

 同常務は、改革プランをまとめた際、「津波対策は不可避」とする資料の存在について「私は認識していなかった」と述べた。

 「事故は回避すべきだった」との姿勢を改革プランで示す一方で、裁判では「大津波は予想できなかった」と主張している点が矛盾するのでは指摘した質問に対して姉川氏は、「裁判でどのような文言が展開されているのか確認が足りないので、確認して説明する」と回答した。

 会見後、東電の広報担当者はロイターに対し、「改革プランでは、福島第1原発の事故が『想定外』との認識では(改革を)スタートできないと考えている。その上で、津波の想定に関する法的責任は司法の場で審理されると認識している」と、姉川氏の説明を補足した。

 

 (浜田健太郎)