写真・図版 9月12日、日銀は18、19日の金融政策決定会合で、現行の政策を維持する見通し。7月末の前回会合では、金融緩和の副作用などを念頭に長期金利の上振れを一定程度容認するなど、政策の枠組み修正を決定した。写真は都内で2016年9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

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 [東京 12日 ロイター] - 日銀は18、19日の金融政策決定会合で、現行の政策を維持する見通し。7月末の前回会合では、金融緩和の副作用などを念頭に長期金利の上振れを一定程度容認するなど、政策の枠組み修正を決定した。国債市場の動向を分析しつつ、その効果を見極めたい考えだ。米中貿易摩擦に加え、国内に被害をもたらした台風や地震が与える影響も、リスク要因として議論されるとみられる。

 7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価見通しが下振れたことを受け、日銀は国債市場の機能改善を図ることを目的に、長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.1%から倍程度に広げる方針を決めた。

 直後の8月2日、円債市場では新発10年物国債利回り<JP10YTN=JBTC>が一時0.145%と、約1年半ぶりの高水準を付けたが、以降は0.1%付近で推移している。

 日銀が四半期に1回実施している「債券市場サーベイ」(8月調査)では、3カ月前と比べた市場の機能度が一定程度の改善を示したものの、夏季休暇と重なる8月は取引量も少なく、日銀内には「効果を測定するには時期尚早」(幹部)との見方が多い。

 次回会合では、市場動向を精査するとともに、経済のリスク要因を重点的に点検する。9月以降、近畿地方を中心に被害が出た台風21号や、北海道胆振東部地震といった自然災害が立て続けに発生。北海道では大規模停電の影響で、全般的な生産活動に大きな打撃となった可能性があるだけでなく、近畿や北海道といった海外旅行客に人気のある地域の自然災害で、インバウンド消費などへのマイナスも懸念されている。

 また、米中の追加関税の応酬が、企業の投資意欲を減退させかねず、7月の鉱工業生産が約4年ぶりに3カ月連続のマイナスとなり、この基調が長期化するかどうかも議論の対象になるとみられる。

 一方、足元の物価動向は引き続き力強さに欠け、金融緩和の効果が物価に波及する様子はうかがえない。 

 7月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)は、前年同月比0.8%の上昇となり、伸び率は前月から横ばいとなった。8月の東京都区部は、同0.9%上昇と前月からプラス幅を拡大したが、調査日がお盆の週に重なり、宿泊料が指数を押し上げた特殊要因もある。 

 貿易問題を中心に先行き不透明感は強まりつつあるが、現段階では統計上「大きなショックは確認できない」(別の幹部)ことから、景況感や物価の現状認識は据え置く方向だ。

 

 (梅川崇 編集:田巻一彦)