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 [ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した8月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.1%下落し、2017年2月以来初めて落ち込んだ。市場予想は0.2%上昇だった。

 エネルギーが値上がりする一方で、食品や幅広い貿易サービスが下落し、全体水準を押し下げた。

 7月のPPIは横ばいだった。

 8月の前年同月比は2.8%上昇と、市場予想の3.2%上昇を下回った。7月は3.3%上昇していた。

 予想外のマイナスにはなったものの、労働市場の引き締まりや好調な経済を背景に、インフレは総じて安定的に上昇している。

 ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は、低い失業率、国内総生産(GDP)や賃金の伸び、財政政策が経済を支援しているとし、「インフレ圧力は今後数四半期に強まるはずだ」と述べた。

 食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア物価は前月比0.1%上昇した。7月は0.3%上昇していた。8月の前年同月比は2.9%上昇。7月は2.8%上昇だった。

 8月のPPIは減速したものの、底堅い労働市場と好調な経済を背景に全体の物価は安定的に上昇している。トランプ政権が木材や洗濯機、太陽光パネル、鉄鋼、アルミニウム、そして幅広い中国製品に輸入関税をかけたことも今後、物価上昇圧力になるとみられる。

 米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)物価指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が7月に前年比2.0%上昇した。FRBの目標である2%に届いたのは今年3度目だ。

 8月のPPIの内訳は、食品が前月比0.6%下落。卵や生鮮果物が大幅に値を下げた。7月は0.1%下落していた。エネルギーは8月に0.4%上昇。うちガソリン価格は0.6%上昇し、7月の0.1%下落からプラスへ転じた。

 モノ全体を指す最終需要財は横ばい。7月は0.1%上昇していた。

 サービスは2カ月連続で0.1%下落。そのうち、卸売りと小売の利益幅を示す貿易サービスは0.9%下げた。1.7%下落した機械と専門機器の卸売りサービスが8月のサービス全体の下落要因の8割超を占めた。

 サービスのうち医療費は0.3%上昇。病院外来費が0.5%下落した一方で、入院費や歯科医療、介護費が値を上げた。7月の医療費は0.1%上昇していた。医療費はコアPCE物価指数の計算に組み込まれる。

 ウエルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「機械と専門機器の利益幅が下がったことは、生産者が関税の影響で上昇した投入コストを価格に転嫁しづらいのかもしれない」と述べた。

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