写真・図版 3月22日、ニューヨーク外為市場では、ドルが安全通貨と見なされる円に対し下落した。米製造業購買担当者景気指数が低調だったことに加え、米長短金利が逆転し、米国が景気後退入りするとの懸念が高まったことが背景。2017年6月撮影(2019年 ロイター/THOMAS WHITE)

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 [ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが安全通貨と見なされる円に対し下落した。米製造業購買担当者景気指数(PMI)が低調だったことに加え、米長短金利が逆転し、米国がリセッション(景気後退)入りするとの懸念が高まったことが背景。ただドイツの製造業PMIも低調だったことで、ドルは対ユーロでは上昇した。 

 マークイットが発表した3月の米製造業PMI速報値は前月比0.5ポイント低下の52.5と、2017年6月以来約2年ぶりの低水準になった。これを受け米債券市場では3カ月物財務省短期証券(Tビル)<US10YT=RR>と10年債<US10YT=RR>の利回りが07年以来、約12年ぶりに逆転した。

 SEIインベストメンツ(ペンシルバニア州)のグローバル債券マネジメント部門責任者、ショーン・シムコ氏は、長短金利の逆転について「向こう1年から1年半の間に景気後退入りするシグナルだと深刻に受け止める必要がある」としている。

 終盤の取引でドル/円<JPY=>は0.66%安の110.07円。円は対ドルで約6週間ぶりの高値を付けたことになるが、OANDA(トロント)のシニア外為アナリスト、アルフォンソ・エスパルサ氏は「円相場は安全資産への資金の逃避で回復した。日本経済の力強さが背景にあるわけではない」としている。

 終盤の取引でユーロ/ドル<EUR=>は0.69%安。

 今週は米連邦準備理事会(FRB)が20日まで2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内の利上げはないとの見通しを示すと同時に、バランスシート縮小を9月に終了することを決定。一段とハト派的な政策スタンスへの転換を鮮明にした。これを受けドルは圧迫されていた。 

 キャピタル・エコノミクスのグローバルエコノミスト、サイモン・マクアダム氏は「3月のPMI速報値を受け、世界の3大先進国で第1・四半期の成長が抑制されていることが改めて確認された」と指摘。ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの外為戦略部門責任者、カール・シャモッタ氏は「数カ月前に市場で予想されていたよりも広範な減速に直面しているとの見方が裏付けられた」とし、「FRBは世界経済に対する一段と深刻なリスクに対応しているとの認識を改める結果となった」と述べた。

 欧州連合(EU)首脳は前日、英離脱を巡り、英議会が離脱協定案を来週中に承認しなかった場合、4月12日まで離脱日を2週間延期することで合意。EUは英国が加盟国にとどまるためには5月23日に欧州議会選を実施する必要があるとしており、4月12日は法律で定められている通知期間である6週間前に当たる。

 これを受け、これまで下落していた英ポンドは回復し、対ドル<GBP=>で0.74%高となった。 

 カナダドル<CAD=>は対米ドルで11日ぶりの安値に下落。2月の消費者物価指数(CPI)が2カ月連続でカナダ銀行(中央銀行)の目標を下回ったことなどが重しとなった。

 

 ドル/円 NY終値 109.91/109.94 

 始値 110.45 

 高値 110.46 

 安値 109.75 

 ユーロ/ドル NY終値 1.1313/1.1315 

 始値 1.1308 

 高値 1.1316 

 安値 1.1274