写真・図版 4月22日、埼玉県を地盤とする武蔵野銀行の加藤喜久雄頭取は、ロイターとのインタビューに応じ、日銀の異次元金融緩和で収益環境は厳しいものの、千葉銀行との協業で運用商品の販売を伸ばし、役務収益を強化する方針を示した。写真は2010年8月撮影(2019年 ロイター/Yuriko Nakao)

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 [東京 22日 ロイター] - 埼玉県を地盤とする武蔵野銀行<8336.T>の加藤喜久雄頭取は22日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀の異次元金融緩和で収益環境は厳しいものの、千葉銀行<8331.T>との協業で運用商品の販売を伸ばし、役務収益を強化する方針を示した。その上で2022年度の当期純利益の目標値100億円は「保守的な数字」だと話した。

 武蔵野銀は2016年に千葉銀と包括的な業務提携「千葉・武蔵野アライアンス」を締結。加藤頭取はインタビューで、千葉銀との将来的な経営統合を否定。提携を維持しながらも、自主独立路線を歩むと話した。

 加藤頭取は1946年生まれ。64年に埼玉県立大宮商業高校を卒業して武蔵野銀に入行。春日部支店長、総合管理部長を経て99年に常務。2007年に頭取に就任した。

 インタビューでの主なやり取りは次の通り。

 ――「千葉・武蔵野アライアンス」を組んで3年が経過した。

 「地域のためにベストの選択肢は何かと考えて、たどり着いたのがアライアンスだ。経営統合では、店舗の統合や支店長がどちらの銀行出身者になるのか、融資方針が変わるのかなど、地元の取引先に一番心配をかけるので、そういうことはしたくなかった。それ以外の方法が絶対にあるだろうということでたどり着いた。規模で決めるのではなく、お互いの信用、信頼に基づいてやっていこうと話した」

 「当行にない経営資源を千葉銀は持っていて、当行のノウハウもある。効果はいろいろある。発足5年で100億円程度の提携効果(訂正)を見込んでいたが、110億円くらいは確実に積み上がるとみている」

 「最も効果があったと思うのは証券業務。2年前、ちばぎん証券はさいたま営業部、浦和、所沢、草加の4カ店を当行の拠点内に展開した。ちばぎん証券は銀証連携のノウハウを持っているので、当行と一緒にやっても抵抗がない。銀行はストック商売である半面、証券はフィービジネスだから、その場で手数料を取る必要がある。説明の仕方、顧客と向き合う必死さなど、一緒に回ることで証券業務はこういうものなのかと勉強ができる。収益源の創造効果はとても大きい。当行にとって『難攻不落』な顧客を、ちばぎん証券にお願いするとドアを開いてくれた例もある」

 ――千葉銀との経営統合はないか。

 「自主独立でやろうと佐久間(英利・千葉銀)頭取と話してきた。他行から声が掛かったこともあったが、経営統合の考えはない」

 ――中期経営計画で、22年度の単体ベースの当期純利益目標を100億円とした。埼玉県羽生市に本社を置く曙ブレーキ工業<7238.T>が事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)の利用申請を行ったことに伴い、70億円を引き当て、19年3月期の連結当期純利益の予想を45億円に引き下げている。

 「曙ブレーキ工業に対する融資は、金融ADRなのでいずれ戻ってくる。100億円は、達成できていくとみている」

 ――千葉銀の役員との議論の中で、日銀の異次元金融緩和政策で環境が厳しいといった議論は出ていないか。

 「そういった議論も出る。環境は厳しいが、資金利益に代わる収益の柱が必要で、それが役務収益だ。ちばぎん証券もエリアによって温度差がある。まだ、成長の余地があると思っている。なかなか借りてくれない先でも資金運用のニーズはある。ちばぎん証券の職員と一緒に行って安全性の高い運用商品を勧めると、『そういうのあるんだ』となる。あるいは学校法人に行って、株ではなく安全性の高い運用商品を勧めたりしている。中計の100億円というのは保守的にみた数値だ」

 *22日配信の以下の記事で、加藤頭取の2つ目のクオートの「統合効果」を「提携効果」に訂正します。

 

 (和田崇彦、木原麗花 編集:田巻一彦)