写真・図版 4月23日、欧州連合(EU)統計局は、ギリシャとイタリアの公的債務が昨年拡大する一方、ユーロ圏全体の債務は縮小したと発表した。写真はユーロ紙幣、ウィーンで2016年3月撮影(2019年 ロイター/Leonhard Foeger)

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 [ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局は23日、ギリシャとイタリアの公的債務が昨年拡大する一方、ユーロ圏全体の債務は縮小したと発表した。

 EUの執行機関である欧州委員会は昨年12月、イタリアの債務増大に対する是正措置の開始見送りを決定しているが、今回の統計で示されたイタリアの債務水準は欧州委の予想を上回り、EU財政規律の一段の逸脱が確認された。

 ユーロ圏全体の債務は昨年、域内総生産(GDP)の85.1%となり、2017年の87.1%から低下した。ユーロ圏全体の対GDP比財政赤字も17年の1.0%から0.5%に低下した。

 ドイツの債務の対国内総生産(GDP)比が64.5%から60.9%に低下。また、同国の財政黒字の対GDP比は17年の1.0%から1.7%に上昇した。 

 一方、ギリシャの債務の対GDP比は18年に181.1%となり、ユーロ圏で最も高い数値となった。17年は176.2%だった。昨年夏に終了した第3次救済プログラムの一環として最後の融資を受けたことが比率上昇の主因。

 イタリアは債務の対GDP比が18年に132.2%と、前年の131.4%から上昇した。欧州委は昨年12月時点で、同比率は131.1%になるとの見通しを示していた。

 イタリアの債務の最大0.2%はデリバティブ契約によるもの。デリバティブ契約は通常はリスクに対するヘッジとなり、他のユーロ加盟国では債務削減の方向に作用したが、イタリアでは47億ユーロの損失につながった。こうした損失は17年の54億ユーロからは減少したものの、15年以降の債務に対するマイナスの影響は250億ユーロを超えている。 

 欧州委は今回の統計を踏まえ、6月にイタリアのEU財政規律の順守に関する報告書を公表する。 

 この他、キプロスの債務の対GDP比は102.5%と、95.8%から上昇。一方、ポルトガルは121.5%と、124.8%から低下した。ベルギーも102.0%と、103.4%から低下した。 

 フランスの債務の対GDP比は98.4%と横ばい。財政赤字の対GDP比は2.5%と、2.8%から低下した。

 *内容を追加しました。