写真・図版5月21日、米連邦準備理事会(FRB)の政策枠組み見直しで課題のひとつとなっているインフレ目標達成に向けた新たな手法について、当局者から様々な意見が出た。ワシントンのFRB本部前で2018年8月撮影(2019年 ロイター/Chris Wattie)

[PR]

 [アトランタ/ニューヨーク 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の政策枠組み見直しで課題のひとつとなっているインフレ目標達成に向けた新たな手法について、当局者から21日、様々な意見が出た。

 FRB内では、物価水準が低過ぎる時期を補うためにインフレ率がFRB目標の2%を上回ることを容認することについて議論されている。

 ただ、約10年にわたりインフレ目標が未達であることを踏まえると、FRBは今よりも踏み込んだ措置を講じることにさほど真剣でないと市場が受け止める可能性がある。当局者からはこの問題点が指摘された。

 シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、FRBが現行のインフレ目標を達成できていないことは、物価上昇を管理する新たな枠組み導入に向けた取り組みに対する問題となる可能性があるとの見方を示した。

 FRB内で討議されている新たな戦略は、低インフレを将来の急速な物価上昇で補うもので、こうしたモデルの下ではインフレ率はある年は3%、もしくは4%まで上昇する可能性があると指摘。ただ、この水準までインフレ率が上昇することをFRBが容認するのか、市場が懐疑的になる可能性があると説明した。 

 アトランタ地区連銀のボスティック総裁は「2012年には2%を確認したが、それ以降は実際にそれを記録していない」と述べ、このことが問題になると指摘した。

 現在FRB内は、現行システムを変更すべきか、もしくは維持すべきかのどちらか一方に傾いているわけではないと指摘。検討されている様々な枠組みを全て支持するが、いかなる変更も課題に直面することになるとし、特に市場とどのようにコミュニケーションを取るかが問題だと説明した。

 インフレ目標達成に向けた新たな手法により、企業や金融市場、消費者のインフレ期待の落ち込みを防ぐことが可能だとの指摘もある。

 高いインフレ率を今よりも頻繁に容認した場合、金利も押し上げられる可能性があり、その結果、景気低迷時にFRBが利下げする余地は拡大する。さらに、そうした政策への取り組みを表明するだけでインフレ期待をうまく操作し、その結果インフレ率も2%で維持できる可能性があると当局者は期待している。

 ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、インフレ率を目標の2%に近づけることでFRBがあまり成果をあげていないことを懸念している、とし、その目標を中心としたレンジを目指すほうが好ましいとの見方を示した。さらに、次の景気後退(リセッション)時にマイナスの衝撃を相殺できる金融政策の余地が十分あるかを心配している、と述べた。

 その上で、FRBが政策を見直していることは政策変更があることを必ずしも意味しないと説明した。