写真・図版米議会予算局は21日、昨年1月以降に実施された米国及び世界の通商政策の変更によって、2020年までにインフレ調整後の米国内総生産(GDP)が0.3%押し下げられるとの試算を示した。ワシントンの米議会議事堂で7月撮影(2019年 ロイター/ERIN SCOTT)

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 [ワシントン 21日 ロイター] - 米議会予算局(CBO)は21日、トランプ政権が発動した関税など貿易障壁の拡大が米経済を減速させ、家計所得を押し下げるとの見方を示した。

 昨年1月以降に実施された米国及び世界の通商政策の変更によって、2020年までにインフレ調整後の米国内総生産(GDP)が0.3%押し下げられ、米家計の実質所得も0.4%(580ドル)減少すると試算した。

 このほか、歳出増加などにより2019会計年度(9月30日まで)の財政赤字が9600億ドルに増加すると予想。来年度には1兆ドル超に増加し、2020─29年度は年平均で1兆2000億ドルに増えるとの見通しを示した。

 今後10年間の財政赤字のGDP比は平均4.7%と、2012年以降で最も高い水準となり、過去50年間の平均である2.9%を大きく上回る見込みだ。

 連邦債務の対GDP比率は19年の79%から29年には95%に達すると予想した。

 トランプ大統領の貿易政策による影響を見込んだCBOの試算は、米中貿易摩擦は米経済に打撃を及ぼさないとするホワイトハウスの主張に相反する。

 トランプ氏は21日のツイッターへの投稿でも「米経済は非常に強い!」と主張し、メディアによる「フェイク(偽)ニュース」がリセッション(景気後退)に対する不安をあおっていると非難。同時に米連邦準備理事会(FRB)に利下げによる成長押し上げを求めた。

 CBOは19年の米成長率見通しを2.3%に据え置いた。昨年の2.5%からは低下するものの、連邦政府の裁量的歳出の増加が貿易政策による下押し圧力を相殺すると予想した。

 成長率は20年に2.1%、その後は平均1.8%へと減速する見通しとした。

 CBOはさらに、関税引き上げに伴う国内の物価上昇によって消費者の購買力が低下するほか、企業の投資コストが上昇すると警鐘を鳴らした。

 CBOのスワゲル局長は「関税は将来の貿易障壁、ひいては国内外の投資リスクを巡る不透明感を高める形で企業投資に影響する」と指摘した。

 CBOは関税による貿易フローや物価、生産への影響について、向こう1年間は拡大するが、企業がサプライチェーンの調整を進めるにしたがってその後は和らぐとの見通しを示した。

 *内容を追加しました。