写真・図版 23日、カーニー英中銀総裁は、ドルが世界経済の安定性を損なっているとし、各国中銀がドルに代わる独自の基軸通貨の設定に向け団結する必要があるかもしれないと述べた。写真はカーニー総裁。8月1日撮影(2019年 ロイター/Chris J Ratcliffe)

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 [ジャクソンホール(米ワイオミング州) 23日 ロイター] - カーニー英中銀総裁は23日、ドルが世界経済の安定性を損なっているとし、各国中銀がドルに代わる独自の基軸通貨の設定に向け団結する必要があるかもしれないと述べた。

 ワイオミング州ジャクソンホールで開催中の経済シンポジウムでの講演で、世界的な金融システムでのドルの優位性は超低金利に伴う流動性の罠や低成長のリスクを増大させたと指摘。世界経済は変化しているが、ドルの重要性はドルを基軸通貨とする固定相場制(ブレトンウッズ体制)崩壊時と変わっていないとした。

 カーニー総裁によると、世界的な活動に占める新興国経済の割合は金融危機以前の約45%から60%に拡大。ただ国際貿易の少なくとも半分以上でドルが引き続き使われており、多くの国が米経済の変動の影響を受けやすい状態にあるという。

 また、このような金融システムの問題が保護貿易主義やポピュリズムを助長しているとしたほか、過去には非常に低い均衡金利と同時に戦争や金融危機、金融システムの急激な変化が発生していたと警告した。

 ドルに匹敵する基軸通貨の候補としては中国人民元が最も可能性が高かったが、そうなるまでには時間がかかると指摘。ドルが基軸通貨でなくなる最善の解決策は技術によってもたらされ得る金融システムの多様化であり、このようなシステムが世界貿易におけるドルの「支配的な影響」を弱めると語った。