今回は、人気や運用成績の目安となる純資産残高が増加したファンド(投資信託)を紹介します。過去3カ月間の残高増加額の上位20本について分析した結果です。
まず、残高増減の前提となる世界の株式市場の動きを確認しましょう。9月末までの3カ月間は、日本こそ日中摩擦への警戒感から上値が抑えられましたが、欧米や東南アジア、さらに中南米も上昇しました。9月に米金融当局が量的緩和第3弾を発表したことで、世界的に過度なリスク回避姿勢が後退したためです。
ランキングでは「野村米国ハイ・イールド債券投信(豪ドルコース)」が3カ月連続で首位を維持しました。同ファンドが投資対象としているのは、株式と似た値動きをすることで知られるハイ・イールド債券(信用格付けが低い分、利回りが高く設定されている事業債)です。足元でリスク選好が高まり、株式と同様にハイ・イールド債券の価格も上昇したため、安定した成績を収め、好調な販売にもつながりました。
なお、14位の「アムンディ・りそな米国ハイ・イールド債券ファンド(ブラジルレアルコース)」も「野村米国」と同様、米国のハイ・イールド債券に投資する通貨選択型で、8月の34位から一気に順位を上げました。
また、今回は3位に「日興グラビティ・ファンド」、15位に「UBSグローバル好利回りCBファンド」と、9月に設定されたばかりの新ファンドが2本ランクインしました。「日興グラビティ」は、「2国間の貿易量は、経済規模が大きく、距離が近いほど大きくなる」というグラビティ理論に基づいて、日本を含むアジアの成長企業を選び、その株式に投資します。
世界各国の転換社債(一定の条件で株式に転換できる権利のついた社債)に投資する「UBSグローバル好利回りCB」は、5月と8月にも同じ投資方針のファンドが設定されており、シリーズ化されています。
両ファンドの最大の特徴は、毎月分配型が圧倒的な支持を集める中では珍しい年1回決算型であるという点です。「非・毎月分配型」を見直す動きも出ていることが分かります。(リッパー・篠田尚子)
(トムソン・ロイター)http://www.reuters.co.jp
| 順位 | 8月の 順位 |
騰落 | ファンド名 | 投信会社 | 純資産 残高 |
3カ月間 増加額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | → | 野村米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型)豪ドルコース(毎月分配型)★ | 野村 | 345,419 | 84,818 |
| 2 | 2 | → | フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) | フィデリティ | 553,859 | 64,037 |
| 3 | - | 新 | 日興グラビティ・ファンド | 日興 | 63,334 | 63,334 |
| 4 | 3 | ↓ | ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型) | ピクテ | 356,737 | 60,614 |
| 5 | 7 | ↑ | 日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(トルコリラコース)★ | 日興 | 96,974 | 42,848 |
| 6 | 5 | ↓ | ニッセイオーストラリア高配当株ファンド(毎月決算型) | ニッセイ | 51,906 | 37,034 |
| 7 | 4 | ↓ | オーストラリア公社債ファンド | SMT | 209,904 | 36,046 |
| 8 | 8 | → | BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド | ベアリング | 117,340 | 32,005 |
| 9 | 9 | → | アジア・オセアニア好配当成長株オープン(毎月分配型) | 岡三 | 278,034 | 29,064 |
| 10 | 21 | ↑ | エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)為替ヘッジあり | 国際 | 70,477 | 28,426 |
| 11 | 19 | ↑ | 三菱UFJ新興国高利回り社債ファンド通貨選択シリーズ〈円コース〉(毎月分配型)★ | 三菱UFJ | 63,236 | 27,694 |
| 12 | 10 | ↓ | 資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル・コース★ | 日興 | 122,119 | 26,784 |
| 13 | 15 | ↑ | DIAM新興国ソブリンオープン通貨選択シリーズ〈ブラジルレアルコース〉★ | DIAM | 127,663 | 26,436 |
| 14 | 34 | ↑ | アムンディ・りそな米国ハイ・イールド債券ファンド(ブラジルレアルコース)★ | アムンディ | 96,671 | 24,326 |
| 15 | - | 新 | UBSグローバル好利回りCBファンド2012-09(円ヘッジ)(限定追加型) | UBS | 23,982 | 23,982 |
| 16 | 33 | ↑ | ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型) | 大和 | 278,692 | 23,688 |
| 17 | 12 | ↓ | 三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ〈豪ドルコース〉(毎月分配型)★ | 三菱UFJ | 170,886 | 22,516 |
| 18 | 41 | ↑ | ダイワ米国株ストラテジーα(通貨選択型)-トリプルリターンズ-ブラジル・レアル・コース(毎月分配型)★ | 大和 | 24,618 | 22,439 |
| 19 | 16 | ↓ | PIMCOニューワールド円インカムファンド | 三菱UFJ | 113,599 | 20,928 |
| 20 | 20 | → | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) | SMT | 140,599 | 19,885 |
調査対象はオープン型投信で、残高が10億円以上の1859本(9月末時点、単位:100万円)。上場投信と確定拠出年金・ラップ口座向け専用ファンド、デリバティブ型を除く。残高と増加額が同じファンドは7月以降の設定。★は通貨選択型(リッパー調べ)