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 [20日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反発。トルコ危機に対する懸念が後退したほか、米中通商協議への期待から前週に付けた4カ月ぶりの安値から持ち直した。

 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pグローバル・レーティングスが前週末にトルコ国債の格付けを引き下げたことで通貨リラはこの日、ドルに対して6リラを上回る水準まで再び値下がりしたほか、トルコ国債の保証コストが上昇した。ただ、投資家らはトルコの経済危機による欧州市場への影響は限定的だとの見方を強めている。

 JPモルガンの株式ストラジスト、Mislav Matejka氏は「トルコの影響は小さい。ユーロ圏のトルコへの輸出(GDP比)は1%を下回るほか、域内銀行のトルコへのエクスポージャーは資本の6%だ」と語った。

 この日はまた、米中通商協議が月内に開催される見通しとなったことから、銅が値を上げ、鉱業株を押し上げた。アントファガスタ<ANTO.L>とリオ・ティント<RIO.L>、グレンコア<GLEN.L>、BHPビリトン<BLT.L>、アングロ・アメリカン<AAL.L>は0.1%から1.3%上昇した。

 一方、高級ハンドバックメーカーのマルベリー<MUL.L>は29.7%急落した。百貨店グループ、ハウス・オブ・フレーザーの業績不振で300万ポンド(383万ドル)の打撃を受けるとしたことが嫌気された。マルベリーはハウス・オブ・フレーザーの21店舗を経営する。同社はまた、現在の英国での売り上げ傾向が下半期も続いた場合、通年の利益は「著しく減る」との見通しを示した。

 会計ソフトのセージ・グループ<SGE.L>は7.0%下落した。ドイツ銀行が投資判断を「ホールド」から「セル」に引き下げたことが売り材料だった。ドイツ銀行のアナリストらは投資家向けのメモで「セージの主力である中堅企業のフランチャイズ事業において競争力が衰えているもようだ」とした。

 中型株では、世界最大のセキュリティー会社G4S<GFS.L>が1.2%下落した。英政府がバーミンガムの刑務所運営をG4Sから取って代わることとなった。司法省の調査の結果、運営が危機的な状況に陥っていたことが分かった。

 <欧州株式市場> 反発して取引を終えた。米国と中国が貿易摩擦を巡り打開策を見出すとの期待から市場心理が好転した。トルコの通貨危機が悪化している兆しがないことも買い安心感につながった。

 CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は投資家向けのメモで「貿易摩擦が高まる場合でも、かなり先になる見通しとなってきたことから、投資家らは一時的に株式市場へ再参入した」と述べた。

 リスク志向が強まる中、STOXX欧州600種資源株指数<.SXPP>は0.85%上昇した。

 個別銘柄では鉄鋼メーカーのアルセロール・ミタル<MT.AS>とエブラズ<EVRE.L>が2.5%と2.8%それぞれ上昇した。

 一方、イタリアのインフラ会社アトランティア<ATL.MI>は4.7%下落した。北部ジェノバで高速道路の高架橋が崩落した事故を巡り、政府が運営会社の経営権を剥奪する可能性が不安視される中、その親会社であるアトランティア株が売られている。

 <ユーロ圏債券> 独連邦債利回りが約1カ月ぶりの低水準近辺にとどまった。トルコ通貨危機の行方、および他の新興国への波及的な影響を巡る不透明感が払拭されない中、安全資産としての独連邦債に対する高い需要が続いている。 

 中国商務省は前週16日、王受文商務次官率いる代表団が8月下旬に訪米すると発表。6月以降中断していた米中通商協議が再開する見通しとなったことを好感し、株価が上昇するなどの動きが出ている。

 ただトルコリラ<TRY=>はこの日も下げるなどなお脆弱で、新興国市場全体に波及的な影響が及ぶとの懸念も払拭されない中、高格付けのユーロ圏債券に対する需要が高い状態は継続している。 

 DZ銀行の金利ストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は「苦境に陥っているのはトルコだけなのか、それとも各国中央銀行は新興市場全体に影響が広がるリスクがあると見ているのか。これが今週の焦点となっている」と指摘。南アフリカランド<ZAR=>が8月に入ってから対ドルで11.2%下落していることを踏まえると、影響が他の新興国に波及する可能性は排除できないとの見方を示した。 

 また、米金利の上昇は新興国市場に大きな影響を及ぼすため、「米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムを控え、米国の金利が引き上げられるのかにも留意する必要がある」とも述べた。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は同シンポジウムで講演を行う予定。

 この日の取引で独10年債<DE10YT=RR>利回りはほぼ横ばいの0.30%と、前週に付けた1カ月ぶり低水準の0.287%に近い水準で推移。仏10年債<FR10YT=RR>利回りも0.65%と、前週に付けた1カ月ぶり低水準近辺にとどまるなど、他の格付けの高いユーロ圏国債の利回りも1カ月ぶり低水準近辺となっている。

 格付けの低い南欧諸国の国債はアウトパフォームし、スペイン10年債<ES10YT=RR>、イタリア10年債<IT10YT=RR>、ポルトガル10年債<PT10YT=RR>利回りは5─7ベーシスポイント(bp)低下した。 

 ギリシャ10年債<GR10YT=RR>利回りは2bp低下の4.32%。ユーロ圏救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)はこの日、ギリシャが2015年8月に合意した3カ年の第3次金融支援が終了したと発表している。