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 [10日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 終盤にかけて上昇幅を圧縮し、ほぼ横ばいで取引を終えた。英国の欧州連合(EU)離脱交渉でEUのバルニエ首席交渉官の前向きな発言を受けてポンドが大幅高となり、輸出銘柄が多いFTSE100種の重しとなった。

 バルニエ氏はスロベニアで開催された会合で、互いの要求が現実的であれば、6─8週間で合意成立が可能であると発言した。ポンドは5週間ぶりの高値を付けた。

 こうした中、FTSE350種銀行株指数<.FTNMX8350>は0.26%上昇した。イタリア政府が2019年度予算編成でEU規制に配慮するとの期待から銀行株に対する買い安心感が広がっている。個別銘柄ではバークレイズ<BARC.L>とロイズ・バンキング・グループ<LLOY.L>が1.3%と1.1%それぞれ下落した。

 中型株ではプラスチック包装材大手のRPC<RPC.L>が18.0%急騰。 米プライベートエクイティ(PE)会社のアポロ・グローバル・マネジメントと米投資会社のベイン・キャピタルによる買収を協議しているとの発表が買い材料だった。

 一方、小型株では百貨店チェーン、ディベンハムズ<DEB.L>が10.2%急落し、過去最安値を付けた。コンサルティング大手のKPMGへ事業再編依頼を出したとの週末の報道が不安視された。

 <欧州株式市場> 上昇して取引を終えた。イタリアのトリア経済・財務相の発言で同国の予算を巡る懸念が後退し、同国の株価が上がった。

 イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は2.30%上昇し、3カ月ぶりの大幅高となった。

 中でもイタリアの銀行株<.FTIT8300>が4.23%上昇し、顕著な値上がりだった。トリア氏は、政府が2019年の予算を公表した際に国債利回りが低下するだろうとの見通しを示した。これを受け国債が値を上げた。国債の保有高が多いイタリアの銀行の買い材料となった。インテーザ・サンパオロ<ISP.MI>とバンコBPM<BAMI.MI>、メディオバンカ<MDBI.MI>は全て4%超値を上げた。

 そのほか、資産ベースでイタリア最大のウニクレディト<CRDI.MI>は4.7%高となった。フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)<SOGN.PA>との合併の有無に関する質問に対して、19年の事業計画を進める上で、戦略的選択肢を検討していると答えたことが買い材料となった。

 高級ブランド「カルティエ」などを傘下に持つスイスのリシュモン<CFR.S>は0.8%上昇した。最高執行責任者(COO)を務めるジェローム・ランベール氏を最高経営責任者(CEO)に起用したほか、8月31日までの5カ月間の売り上げが10%増となったことが好感された。

 <ユーロ圏債券> イタリアのトリア経済・財務相が2019年度予算の発表を受けて債券利回りは低下すると発言したことで、イタリアとドイツの10年債利回り格差が6週間ぶり水準に縮小した。

 イタリア債券は、政府当局者が欧州連合(EU)の財政規律に沿った予算案を示す姿勢を示したことを受け、前週に大きく買われた。

 トリア氏は9日、新政権が節度ある財政措置を行いつつ景気押し上げに向けた政策を実行し始めれば、同国の国債利回りは低下すると述べた。

 みずほのストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は「イタリア債券利回りは先週からのテーマが続いている。トリア氏の発言は投資家にポジティブだ」と述べた。

 イタリア・ドイツ10年債利回り格差<DE10IT10=RR>は約232ベーシスポイント(bp)に縮小。前週に最も拡大した水準から約60bp縮まった。ただ、114bpだった5月以前に比べるとなお高い水準にある。

 イタリア債券利回り<IT2YT=RR><IT5YT=RR><IT10YT=RR>は13─17bp低下し、6週間ぶり水準に下げた。終盤の取引で10年債利回りは2.74%。

 チャットウェル氏によると、短期的に新興国市場が安定すれば、イタリア国債への恩恵は大きくなる可能性があるという。今後数週間に190億ドル相当の国債が償還を迎える。

 その他のユーロ圏債券利回りは上昇。ドイツ10年債は1カ月ぶり高水準となる0.42%を付けた。

 安全資産とされる国債への需要は後退している。英国とEUの離脱交渉合意への期待が高まっていることも要因となっている。