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『今回の上昇は本物か』【森田レポート】

2009年3月11日15時58分

私が視点を書いたあとに、突然『明日の視点を書く』ということがあります。昨日も視点を書いたあとに明日の視点を書きました。

このような時の共通点は『買わなければならない』ということです。そして、前回もそうでしたが『このような視点を書きます』と、次の日は大幅上昇となります。

多分、買わないリスクに対して『突然、無意識に、何かを感じる』から、視点を書いたあとに翌日の視点を書くのだと思います。

ちなみに、昨日の視点の内容は次の通りでした。

『世界経済が株式市場に与えている影響と投資戦略』

世界のGDPが5000兆円減少し、世界の株式市場の時価総額が少し前で4300兆円減少し、世界の巨大銀行が国有化され、世界の大手自動車会社が倒産の危機に陥り、世界の半導体や電機会社も危機的状況に陥るなど、世界の経済は『想像を絶する状態』に追い込まれています。

今の環境と将来の姿を想像できる専門家はいないと言えます。なぜならば、今回の危機は経済危機ではなく『価値の見えない金融商品』の崩壊だからです。
実物経済であれば『実物以上の損失』は発生しませんが、架空の商品である以上は『無限に作る』ことができますので、損失も無限に発生するからです。

一企業の3ヶ月の損失が6兆円という規模になることは『20世紀の経済』であれば想像もできない数値ですし、一企業に数兆円規模の資金供給をしても『損失を負担しきれない』という事態も想像を絶することです。
ですから、世界の経済は『見えない恐怖』によって急激に信用収縮しているのです。

この見えない恐怖に対して、世界の企業・投資の両方の専門家は『パニック』に陥り、正常な神経を保つことができないことで、何も考えずに『売る』『逃げる』ことに専念しているのだと思います。

今の株式市場は『割安か』『割高か』

割安・割高とは、今買えば儲かるか、損するかと言い換えることができます。
つまり、買ったあとに『大きく下がる可能性が高ければ割高』であり、『大きく下がる可能性が低ければ割安』ということになります。

(1)日本の大手金融機関には公的資金が注入されていません。
(2)日本の大手企業には公的資金が注入されていません。
(3)日本だけが経済政策・金融政策が遅れているのに、日本の株価は最近あまり大き下がっていません。
(4)日本の企業は、いち早く生産調整を行い、雇用調整を行いました。
(5)トヨタなどの自動車の生産調整がまもなく終了。
(6)電機産業の生産調整もまもなく終了するのではないかと想像されます。
(7)日本の大手企業は、将来の見込み損失まで今期に計上した結果、今期の業績が大幅に悪化しましたが、来期以降は『償却したこと』で、赤字額が少なくなるか、早期に業績が回復する可能性があります。
(8)欧米の株式市場は、1990年以降も上昇したので、ここまで株式市場が下落しても12〜13年前の水準なのに対して、日本は1990年から株式市場が下がりましたので、既に1982年の世界の経済がスタートした時点まで株価が下がっています。
(9)欧米企業は1990年以降も成長を持続したので、そうとう下駄を履いた水準にありますが、日本はバブル崩壊で『欧米の企業がこれから行う、人員、設備、負債の3つの負の資産の処理』が既に終っています。

このように考えますと、日本の金融機関、日本の上場大企業と欧米の金融機関・大企業とでは『根本的体力』に大きな差があり、世界経済が落ち着いたあとでは日本が優位に立つと思います。

何故ならば、1990年代に日本では1992年、1995年、1998年と大掛かりな財政出動を伴う景気対策が実施されましたが、実施された年は良いとしても、真水で注入された公的資金が使いきってしまうと、もとの不況に戻ってしまったからです。

つまり、企業自体が人員・設備・負債という三つの負の資産を解消しない限り、企業の業績の本格的な回復は難しいというのが、バブル崩壊経済で日本が学んだ経験でした。したがって、25年間の成長を享受した欧米企業は、簡単には不況から脱出できないのではないかと思います。

ということは、オンリーワン企業を除いた、輸出先を欧米に頼った輸出産業の苦戦は今後も続くことになると思います。そして、日本の労働者の80%はサービス業に従事していること、1500兆円(平成19年末)の個人金融資産があることを考えれば、年金問題などの老後問題を解決できれば、経済のスケールが落ちた段階では内需中心でも十分対応できるのではないかと思います。

1982年の株価と現在の株価の比較

私が独自にピックアップした104銘柄に対して、1982年よりも株価が下回っているのは28銘柄、ほぼ同じ水準まで落ちているのか35銘柄、まだ大分幅があるのか41銘柄となっています。

つまり、半分くらいは1982年の水準まで落ち込んできています。これは各業種を代表する銘柄と、有名な銘柄を合わせたものですが、ここに勝ち組と負け組の差が出ているともいえます。

結論1

今の水準が、割安な水準に近いということは言えると思います。
問題は『何時、買うか』ということです。遅くなれば『買い損なう』結果となりますし、早く買い過ぎれば『買ったあとに下がって、儲けが少なくなる』という結果になります。
因みに、先週の金曜日に私が『週間の買い指し値注文』出した3銘柄はどうなっているのかと言いますと、3つとも、あと10%少し下がれば買えるというところにあります。
また、前回の株式組入比率は10%でしたが、今回は20%で注文を出しています。
テーマとしては、住宅と中国関連に絞っています。電機や自動車も対象とする予定です。危機対応が早かったこと、当面は売りポジションが膨れ上がっていることで円安に振れる可能性が高いことが、その理由です。

結論2

重要なことは、ここから下がった時には『自律反発か、それとも悪材料織り込みで、今後の好材料を織り込む相場になるかは別にしまして、上昇する』可能性が高いことから、ここからの『下げ局面』では、株式組入比率をいくらにするかは別して、ゼロにしておくことは『持たないリスク』があるからです。

ケンミレの投資方法は『大きく下がった時にだけ買う』という投資方法です。
そして、今は大きく下がっている時であり、大きく下がった時には『買い難い時』でもありますが『買い難いときに買う』ことが、株式投資を財産構築の手段にできる買い方でもあります。

これからの『下げ』を待って、株式組入比率を上げるという投資戦術が、当面の投資戦術になると思います。

私の買いたい銘柄で見ますと、買いたい株価までは『あと10〜15%くらい』の下げが必要になっています。つまり、ここから何かが起こって、株式市場が急落した時が買いのチャンスとなります。

そして、その時は『正常な神経を持っている投資家には、なかなか買う決断ができない時』でもあります。

買うためには、今のうちに『買いたい銘柄をリストアップ』して、その銘柄の株価の動きを見続け、買いたい株価まで下がらないかという気持ちになることです。

この場合には、株式市場が急落した時が買い場となりますので、みんなが怖くて買えない時に買うことができると思います。

今日の相場を見て

昨日、シティグループが「09年1・2月期は黒字だったことなどを社内向けメモで説明していた」というニュースでNYダウが急進し、その余波で日本の株式市場も上昇しました。

今日、上昇率が高い銘柄を見ますと、方向性がありませんでした。市場では銀行株が買われていると言っていますが前場終了時では、上昇率上位50銘柄で銀行株は7銘柄で、10位までには1つも入っていません。保険は3銘柄、その他金融は3銘柄。証券は2銘柄ですから、金融株合計でも15銘柄しか入っていません。

更に、一部の業種に偏るのではなく、色々な業種が混在していたのが今日の相場です。また、前回の相場で大きく上昇した銘柄も中にはありましたが、全体としては『前回の大幅上昇銘柄ではなく、新しい銘柄が入っている』という印象です。

これは何を意味するのか

答は『新しい材料が出た』ことで、今後も継続して上がるテーマがあるという相場ではなく、米国株式市場に連れ高しただけの相場ではないかと思います。

勿論、大きく下がっていたので数日間、上昇する可能性はありますが、もう一回、株式市場が下がる可能性も依然として残っているのではないかと思います。

重要なことは、株式市場が上がったときに『追随買いをしない』ということです。
株価が上がった時に買う投資家が『株式市場の敗者』になる確率が高く、下がった時に勇気を持って買える投資家が『株式市場の勝者』になる確率が高いので、今日の上がったところでは買わない、何時も上がったら買わないという条件反射を作って下さい。

株式市場は上がれば下がり、下がれば上がります。そして、今の株式市場を取り巻く環境は悪いので『待っていれば、再び株式市場は下がる』と思います。

最終結論

自分が買いたいと思っている銘柄の動きをチェックし、更に今日の相場では『鉄鋼株の動きが総じて良かった』ことで、鉄鋼株を買いたい銘柄リストにいれていない方は、鉄鋼株をリストアップされると良いと思います。

今日は11日で、まだ3月末には時間がありますので、買えなかった人は『慌てず、次の下落を待つ』という投資戦術を取っても良いのではないかと思います。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 森田謙一

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