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『自由金融市場で失敗した米国が再び自由金融市場で勝負』【森田レポート】

2009年3月24日16時3分

最大規模1兆ドルのバッドバンク構想(不良資産の買い取り)が発表になりました。
私の予想とは逆に、米国株式市場は『この構想を評価』して、NYダウは+497ドルの大幅高で取引を終了しました。

民間資金と公的資金によるバッドバンク構想から、民間資金7.1%、公的資金7.1%、そして信用保証による融資が85.7%という、ヘッジファンドなどを使ったファンドの設立で不良債権を買い取るという構想で、新たな公的資金枠について議会の承認を受ける道を避けたことが第一の私の見込み違い、第二の見込み違いは『政府保証と公的資金で92.8%』という、失敗した時にはほとんど公的資金で補う構想なのに『官民一体』という形になったことを市場が評価したこと、第三は、「リターンが高い目算がなければ動かないヘッジファンドが参加する」と市場が見たこと、第四は銀行が巨額の損失を表面化させる不良債権売却をすると市場が見たことなどです。

不良債権の評価という問題も、入札方式なので『市場性が保てる』という方式にしていますし、この方式に賛同する金融機関があるということも名指しで発表するなど、非常に肌理(きめ)の細かい対策になっています。

しかし、自由金融市場で失敗した米国が、再び自由金融市場で対処するという意識です。本来、根本的に処理するならば『手術』という別の方法を取るべきなのです。
ヘッジファンドを否定している米国がヘッジファンドに頼る、大きなレバレッジを取るべきでないという米国が、民間にもリスクを負担させる、大きなレバレッジの効果が期待できる商品であると世界に表明するというのも『懲りない面々』という印象を持ちました。

つまり、駄目だという方法を、今回だけは取ると言っている訳ですから、歴史のない米国らしい政策ではないかという不安感があります。

いずれにしましても、バッドバンク構想は、私の見立てとは逆に米国株式市場は評価したことになります。

では、この動きを受けて、今後、どういう投資戦略を立てれば良いのか

NYダウ    3月 6日から12営業日で20.2%上昇
日経平均   3月10日から 9営業日で17.2%上昇

という状況になっています。つまり、目先的には『過熱感』が出そうな状況まで上昇しているということになります。

但し、過去の日本の景気対策の時の日経平均の動きを見ますと、別の見方もできます

1992年の景気対策   9ケ月  約50%
1995年の景気対策  11ケ月  約60%
1998年の景気対策  18ケ月  約63%

となっています。当時は参議院選挙に向けて自民党が景気対策を行ったわけですが、最初が上昇期間も一番短く、上昇率も一番小さく、段々と上昇期間と上昇率がアップしています。
つまり、「トゥーリトル・トゥーレイト」と言われて徐々に大きくなり、最後の1998年は金融危機が加わったことで、小渕総理が思い切った予算を組んだことで上昇期間が最長になっているのではないかと思います。

ということは、規模が上昇期間に大きな影響を与えていることになります。ということは、今回の米国発の金融経済危機は『日本の1998年に相当する』ことになります。
更に、1998年の時は景気対策の効果が出尽くしたら、再び景気が悪化したのですが、今回は景気対策に加えて、バッドバンク構想で不良債権処理も同時に行うことになりますから、成功すれば『一気に米国経済と世界経済が回復する』というシナリオも考えられることになります。

チャートが教える今後の投資戦略

以下の日経平均のチャートは1992年、1995年、1998年の三回の景気対策の時の月足チャートと週足チャートです。

これを見ますと、次のようなことが分かります。
月足チャートを見ますと、調整は非常に短くて小さいことが変わります。これを週足チャートに変えますと、全く違ったチャートになります。

これは日経平均の週足チャートです。月足チャートで見ますと『一本調子の上昇』の見えた日経平均も、週足に変えますと『全く、違ってくる』ことが分かると思います。

(1)1992年の上昇
ここでは、中期下落波動が9ケ月間で二回、底値と合わせれば『8ケ月間で三回』の中期下落波動が引かれていることが分かります。

(2)1995年の上昇
ここでは、中期下落波動が11ケ月間で二回引かれています。つまり、今回の一本調子に見えた上昇も、週足に変えれば『トータル3回の買い場』があったことになります。

(3)1998年の上昇
ここでも中期下落波動は18ケ月間で2回引かれていますが、このチャートを良く見ますと、中期下落波動が引かれていない時でも2回ほど買い場が見えますから、トータルでは底値と追わせて18ケ月間(1年半)で5回の買い場が見えます。

結論1

どんな長期間の急騰相場であっても『年間で2回から3回の買い場』があるということです。つまり、どんな場合でも『中期下落波動が出てから買う』というやり方は通じることが分かると思います。

結論2

したがって、このところ、申し上げ続けていますように、この上昇は『絶好の塩漬け銘柄の解消のタイミング』であり、この上昇中に『持っている銘柄を売って、キャッシュ化する』という投資戦略が一番良いのではないかと思います。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 森田謙一

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