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シナリオは持った方が良いが固執してはいけない

2009年4月9日17時28分

今週の月曜日は「チャートに過熱感がある」「したがって保有株の処分と空売りも視野に入れても良い」とレポートしました。しかしメール便(※)にも書きましたが「買い取引」と異なり「空売り」は損失が無限の取引となりますので、想定シナリオから外れた場合は「できるだけ速やかに損切りする」ことが基本になると思います。

今回想定したシナリオは月曜日のレポートに書いた通りですが、昨晩チャートを見ていたときに見落としていたり、また新たに出てきたシグナルを発見し、一晩考えた末に火曜日に「空売り」した銘柄を本日の朝に買い戻す判断をしました。



想定シナリオをまったく持たずに相場と向き合えば、株価が「上がった」「下がった」の一時的な変動に一喜一憂して自分を見失うことになってしまいますので、想定シナリオは持たないよりは持った方が良いと言えます。しかし想定シナリオに固執してしまいますと、株式市場に大きな変化が起こったときや気づかなかったシグナルに気づいたときに対応することができなくなり、本来であれば「株式市場の動きに自分の動きを合わせるべき」ところを「自分のシナリオ通りに株式市場が動いて欲しい」という欲で身動きが取れなくなってしまいます。

株式投資は、現金ポジションさえ持っていれば「何度でも仕切り直し」ができます。今回601円で「空売り」した銘柄は、当初は短期波動の下落率から判断して540円まで下がれば買い戻しするシナリオを想定しました。

次にシナリオ通りにならなかった場合は短期波動の下落日数から判断して「1週間以内に540円まで下がらなければ株価に関係なく買い戻しする」という期間ロスカットのシナリオを想定しました。そしてこれらの想定シナリオにない動きとなった場合は「空売りするマクロの投資戦略そのものを間違えた」ことになりますので、その場合は「相場は強い」と判断できれば早めに買い戻しをするとメール便で書きました。

今回は最後のパターンに該当しましたので、601円で空売りして576円で買い戻しをしましたので、結果的には約4%の利益で損切りにはなりませんでした。しかし今回の失敗で改めて分かったことは、どれだけ良い銘柄を見つけて良いと思うシナリオを想定しても、空売りを仕掛けるタイミングを間違えると「特に損失無限の空売りの場合は精神衛生上良くない」ということです。

買いの場合では、ケンミレでは基本的に中期下落波動ラインが引かれてから臨戦態勢を取り、さらに中期下落波動ラインが延長されて「もうこれ以上は下がらないだろう」というタイミングまで待ち伏せて買うという方法を採っています。したがって空売りの場合でも、個別銘柄だけでなく株式市場全体にも中期上昇波動ラインが引かれてから臨戦態勢を取っても遅くはないと思います。

■「相場は強い」と判断したことについて

月曜日は「過熱感がある」と言い、今日は「相場は強いと判断して買い戻した」ことについて「言った内容が180度違う」と思う人がいるかもしれません。しかし、月曜日はまだ信用残は発表されていませんでしたし、月曜日から水曜日までの約5%近い短期調整で相場の過熱感も少し冷まされたと見ることもできます。

空売りもなくなり今は株式組入比率が0%の状態となりましたが、財産構築を主目的とした株式投資を考えれば、次に株式組入比率を大きく上げるのは「日経平均やTOPIXに再び中期下落波動ラインが引かれたとき」となります。しかし自分自身でリスクマネジメントが出来る投資家であれば、持っている資金の内訳を「財産構築用」と「楽しむ用」に分けて管理しても良いと思います。

たとえば「財産構築用に80%」「楽しむ用に20%」のように投資資金を分けるという考え方です。仮に1000万円の投資資金があり、「楽しむ用」に20%の資金を振り向けるとすれば使える資金は200万円となります。そして「相場は強い」と考えるなら、この200万円の資金について「さらに50%を使って投資しよう」とすれば『楽しむ用の株式組入比率が50%』というマネジメント投資ができます。

そして仮に『楽しむ用の株式組入比率50%』の100万円に−10%の損が発生しても、投資資金全体の1000万円からすれば「わずか−1%の損で済む」ことになります。したがって、「財産構築用の資金」は年間年回数が少なくても“勝つ確率が高いときしか投資しない”というルールを徹底すれば、年間トータルでは「楽しむ用の資金」で損をしてもリカバリーして結果的に勝つことができると思います。

ただし、このように資金を分けて「楽しむ用」の資金を使って投資する場合でも、日経平均などの株式市場や自分が注目している銘柄が「上昇中は買わない」という割安株投資の基本は外さないようにする必要はあります。

つまり楽しむ用の資金であっても「相場は強いかもしれない」「だから今すぐ買う」のではなく、「相場は強いかもしれない」「だから調整で下がる場面があれば株式組入比率を上げてみよう」という基本は変わりません。

※「メール便」は、会員の方から寄せられる質問や要望の中で「これは皆が知った方が良い」ものをピックアップして全員にメールで回答する会員向け専用サービスです。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 田中 達也

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