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 「投資信託で不満を感じるのは、どのような点ですか」。投信協会の調査で保有経験者に尋ねると「元本保証がない」が51.5%で、2位以下を大きく引き離すトップの回答でした。

 投信には価格変動のリスクがあるからこそ、高いリターンが望めることを忘れているのでしょうか。それとも、理屈では分かっていても、やはり元本は失いたくないということなのでしょうか。

 投信に「元本保証」はあり得ませんが、元本確保を目指す「元本確保型」はあります。当初の1万円が、できるだけ1万円で戻ってくるような仕組みの投信です。リッパーの集計では、最盛期の2005年8月末の純資産総額は1兆7075億円でした。しかし、13年4月以降は新規の設定がなくなり、今年4月に最後のファンドが償還され、残高はゼロになっていました。

高いリターンは望めない

 ニーズは高いはずなのに、長く元本確保型の新設がなかった理由のひとつには、「あまり高いリターンが望めない」ことがあると考えられます。今年償還された3つの元本確保型の年率リターンは、0.67~1.17%=表。

 3つの元本確保型は、円安や日経平均株価の上昇が一定水準以上になると、高い分配金が支払われる仕組みです。実際、円安や日経平均株価の上昇で高い分配金が支払われ、3つの投信は「好成績」に終わりました。それでも、この程度のリターンです。外貨建て資産や日本株に投資していれば、はるかに高いリターンが得られたはずです。

元本確保型が久々に登場

 投信はリスク資産と割り切って、元本の確保など求めるべきではないでしょう。もっとも、元本の確保を図りつつ、定期預金の金利が0.01%の時代に、それよりも十分に高いリターンを出している点は評価できますが。

 今月、新しく設定される投資信託「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-07」は、久しぶりの元本確保型。最低購入金額は300万円で、投資対象は、米金融大手のゴールドマン・サックスが発行する期間10年の円建て債券(GS社債)。「ゴールドマン・サックスが破綻(はたん)しなければ」という前提で、「10年後の償還時に」元本が戻ります。

 元本の確保を図りつつ、株価指数先物と債券先物に分散投資し、アップサイド(運用益)も狙える仕組みです。

 GS社債が投資対象なので、信用力や年限が同じくらいの社債と比べ、安定的にある程度高い分配金が出せるかどうか。このファンドの評価の分かれ目でしょう。

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 担当=DZHフィナンシャルリサーチ・野口文高
 トムソン・ロイター提供のリッパー投資信託情報から

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 このコラムはトムソン・ロイターが提供するリッパー投資信託情報を基に、DZHフィナンシャルリサーチが担当しています

トムソン・ロイターhttp://jp.reuters.com/