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 米国では、投資信託の低コスト化が進み、先月ついに経費率0%のゼロコスト投信が登場したと前回紹介しました。日本でも2015年末ごろから、インデックス投信の低コスト化が進みました。今年1月にスタートした「つみたてNISA」が投資対象を低コストの投信に限ったことも影響しています。

 しかし全体では、日本の投信保有者は依然高い手数料を負担させられています。純資産残高の大きいインデックス投信について、運用手数料にあたる信託報酬(年率税抜き、以下同じ)の水準をチェックしました。上場投資信託(ETF)は0.1%を切るものもあるのに対して、一般の投信は0.5%を超えています=表。なお、ETFの残高が格段に大きいのは、日銀が金融政策の一環で年6兆円のペースで買い入れ、機関投資家も保有しているからです。

 信託報酬が0.5%を超えるインデックス投信の運用会社の多くは、同じ戦略で信託報酬がずっと低いETFを提供しています。さらに注目したいのは、一般の投信でも、投資戦略が同じで信託報酬が異なる投信を提供する運用会社が少なくないことです。

 例えば、三菱UFJ国際投信は「eMAXIS Slim」ブランドで、業界最低水準の運用コストを目指すと宣言しています。実際、日経平均株価連動型で信託報酬が最も低いのは「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」の0.159%です。

 ところが三菱UFJ国際投信の「三菱UFJ インデックス225オープン」は信託報酬が0.62%。同じ運用会社の同じ日経平均型なのに、手数料は4倍近い水準です。

 これは「eMAXIS Slim」シリーズが主にネットで取引されているからです。銀行振り込みの手数料が、窓口よりもATM、ATMよりもネットバンキングの方が安いのと同じです。

 「情報の非対称性」という経済用語があります。商品に対する知識が売り手にはあるのに、買い手には不足しているという意味です。投信には、「情報の非対称性」があるようです。商品知識に乏しい個人は、売り手である銀行や証券会社の窓口で勧められるまま、投信を買うことが多い。そういう状況だから、投信の手数料が高止まりしているのではないでしょうか。

 なお、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド」も8月21日に信託報酬を0.159%に引き下げました。

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 担当=DZHフィナンシャルリサーチ・野口文高
 トムソン・ロイター提供のリッパー投資信託情報から

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 このコラムはトムソン・ロイターが提供するリッパー投資信託情報を基に、DZHフィナンシャルリサーチが担当しています

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