最近、新聞やテレビなどでNISA(ニーサ)という単語を目にしたことはありませんか。今回は、来年1月から運用が開始される日本版ISA(少額投資非課税制度、愛称=NISA)について、2回に分けて解説していきます。
NISAとは、一定金額までの上場株式と投資信託などの配当・譲渡益が非課税になる制度のことです。現在、上場株式と投信の配当・譲渡益には証券優遇税制により10%の軽減税率が適用されていますが、この措置が今年いっぱいで終了することに伴い、新たな枠組みとして設けられることになりました。
NISAのモデルとなった本家英国のISAは、預金も非課税対象ですが、日本では預金は対象外です。制度を利用するには、専用口座が必要です。開設可能な口座は一つの金融機関で1人1口座のみですから、投信以外に株式の保有も検討している方は、証券会社で口座を開設した方が良いでしょう。
非課税期間は投資を始めた年から最長5年間。来年〜2023年に、専用口座で投資を始めれば、その年から5年間は非課税枠の適用を受けられます。新たに購入する上場株式と投信の時価の合計額が毎年100万円分まで非課税になりますが、未使用枠を翌年に繰り越すことはできません。つまり、非課税投資総額は最高で500万円です。5年の間に、保有する株式や投信を売却することは自由ですが、売却部分の再利用もできません。
なお、非課税枠の適用はあくまでNISA専用口座内で完結されます。損失が出ても、他の取引口座との損益通算をすることは認められていません。
こうして見ると、株式投資の経験が豊富で確定申告の経験もある方は、NISAが少々物足りなく感じられるかもしれません。しかし、03年に始まり、幾度も延長されてきた証券優遇税制がついに終わるとなると、1年間に100万円ずつでも非課税になることは重要な意味を持ちます。これまで投信の購入経験がない方にも、資産運用を始める良いきっかけとなるでしょう。
現在、銀行・証券各社は、NISA専用口座の開設予約を受け付けています。実際に口座が開設できるのは今年10月以降ですが、事前予約の形で始まりました。申し込み客に商品券を贈るなど、キャンペーンを展開する金融機関も多く見られます。しかし、NISA専用口座は一つの金融機関でしか開設することができません。口座開設を検討している金融機関に十分な商品ラインアップがあるか、きちんと確認してから手続きすることをおすすめします。
次回は、どのような投信がNISAに向いているかなどについて説明します。(リッパー・篠田尚子)