2013年上半期の投資信託市場をふり返るシリーズの2回目は、新規設定ファンド(投信)を中心に解説します。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」に沸いた上半期は、いつでも購入が可能な追加型ファンドと、購入期間があらかじめ決められている単位型ファンドが計327本、新たに設定されました。また、新しいファンドが設定される前に購入者を募集する期間(当初募集期間)に、各ファンドが集めた当初設定総額は、約1兆9500億円でした。昨年の上半期と比べて、本数は96本、当初設定額は約7800億円、それぞれ増えました。
では、どのようなファンドが売れたのでしょうか。当初設定額の上位10本を見ると、約1500億円を集めて首位に立った「日興・新経済成長国」など、株式を主要投資対象とするファンドが名を連ねました。5位のカナダ、6位の日本、10位のアセアンと、投資先の国・地域は多様です。世界的に株式市場が上向き、株式型への関心が高まったものとみられます。なお、3位の「日興UBS米国成長株式」は株式や為替の変動リスク低減を図るため、先物取引を活用しています。
また、上位には入りませんでしたが、今年は少額投資非課税制度(NISA)向けファンドの設定も、新規設定本数の増加に貢献しました。NISAとは、毎年100万円までの株式投信や上場株式の配当・譲渡益が非課税になる制度のことで、来年1月に運用が始まります。非課税措置を受けられる期間が5年に限定されているうえ、保有投信の見直しを柔軟に行えないなどの制約があることから、運用会社各社は制度に適したファンドの設定を急いでいます。
相次いで設定されているのは、基準価格を極力下落させないよう配慮した「ミドルリスク・ミドルリターン」のタイプです。まだ制度が始まっていないため、多くのNISA向けファンドは設定こそされているものの、大々的なセールスは展開されていません。今秋から年末に向けて販売会社各社は、こうしたNISA向けファンドのプロモーションを本格化させていくと思われます。(リッパー・篠田尚子)
(トムソン・ロイター)http://www.reuters.co.jp
| 順位 | ファンド名 | 当初設定額 | 資産タイプ | 設定日 | 運用会社 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日興・新経済成長国エクイティ・ファンド | 1,474 | 株式 | 3/26 | 三井住友 |
| 2 | 日興JPM環太平洋ディスカバリー・ファンド | 1,220 | 株式 | 4/26 | JPM |
| 3 | 日興UBS米国成長株式リスク・コントロール・ファンド | 1,211 | その他 | 2/15 | UBS |
| 4 | 日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・ラグジュアリーファンド | 725 | 株式 | 6/27 | 三井住友 |
| 5 | カナダ高配当株ツインα(毎月分配型) | 675 | 株式 | 4/26 | 大和住銀 |
| 6 | 野村日本株投信(ブラジルレアル投資型)1302※ | 622 | 株式 | 2/28 | 野村 |
| 7 | グローバル金融機関ハイブリッド証券ファンド(為替ヘッジあり)2013−03※ | 588 | 債券 | 3/28 | 三菱UFJ |
| 8 | メキシコ債券&株式ファンド2013−05※ | 578 | ミックスアセット | 5/28 | ニッセイ |
| 9 | ダイワ・ツインポートII |
574 | その他 | 5/21 | 大和 |
| 10 | ダイワ・ライジング・アセアン株式ファンド | 527 | 株式 | 4/16 | 大和 |
上場投資信託(ETF)を含む国内追加型株式投信が対象。単位:億円。設定日は月日。※は単位型 (リッパー調べ)