<要点>
直近の外部環境の変動の影響で、一部の投資には内需関連株を狙う動きが出始めているようです。来週からはじまる決算発表を控え、この動きの背景を探ってみました。
<本文>
今週の国内市場は、週初めに業績への懸念が強まることとなり大きく下げてはじまりました。しかし、後半にかけては米金融グループがあらたに計上した「サブプライム・ローン」関連の損失額が大きく減ったことを受け、「当面の金融危機は峠を越えたのでは」という見方につながり、結局日経平均の週足チャートでは5週連続“陽線”が引かれました。
そして来週中ごろからはいよいよ国内企業の決算発表が本格的に始まります。
市場の関心は「サブプライム問題」の影響で国内外の景気の減速懸念によって大きく下げたことから、今期(2009年3月期)の業績の見通しが“どうなのか”に集まっていると思われます。
すでに、トヨタ自動車や新日鉄、JFEホールディングスなど一部の企業では「今期の業績が減益になるのでは」という観測が出ています。このことから、まずはマクロで見て上場企業全体で前期(2008年3月期)まで続いていた「増収増益が続くのか」、「7期ぶりの減益になるのか」、「減益になるのであればどの程度なのか」によって、市場の動きに大きく変化が出ると考えられます。
では、株式市場を取り巻く外部環境に目を向けてみますと、いまの市場の動きに影響を与えている“3大要素”に、今後変化があるのかどうかを考える必要があると思います。
“3大要素”とは、「サブプライム問題」「原油価格」「為替」の3つです。
そして、結論を最初に申しあげれば「サブプライム問題」が収束に向かい始めなければ、個人的にはその他の2つの要素に“変化はおきない”という見方をしています。
なぜなら、原油価格の高騰は「サブプライム問題」が1929年に起きた“世界金融恐慌”以上といわれている金融危機を引き起こした結果、金融リスクを回避する動きが強まり世界中の投資資金が、株式から安全かつ仕組みが単純な商品市場に大量に流れ込んだことによるものと見ているからです。
一方、「為替」についても米経済が「サブプライム問題」の影響から、「“世界経済の盟主の座”を明け渡すことになるのではないか」といわれるほど大きな打撃を受けた結果、やはり金融リスクを避けるためドルが売られたと考えられるからです。
これらのことを踏まえて、当面の戦術を考えると「業績が円高・ドル安や原油高の動きの影響を受けにくい」と考えられる銘柄=内需関連株が連想されます。
事実、昨日ケンミレ株式情報の会員の方向けのレポートの中でご紹介したデータでは、直近の売買で“利益率の良かった業種ラインキング”の中に内需株が上位にランキングされていたことからも、リスクを考え内需関連セクターを物色している投資家が出始めていることを裏付けています。
また、市場の動きの中にも変化の兆しが出始めています。
それは、今年になってから「インターネット関連銘柄」を評価する動きが出始めていることです。
上のチャートは日経平均に「インターネット関連株」の中で代表的な銘柄とされる、ヤフー株と楽天株を上書きしたチャートです。
日経平均と2社の株価の動きを比べると、今年に入ってから明らかに動きが異なっていて
2社ともに1月下旬の安値水準からすでに5割近くも上昇していることがわかります。
これは、「インターネット関連株」がおこなっている事業のほとんどを国内市場に依存しているため、外部環境の変動に大きく影響を受けないと考えられていることも、株価の動きの背景にあると思われます。
もちろん、「インターネット関連株」の中には、業績を下方修正したり通期で赤字になる見通しの銘柄は株価の低迷が続いているものもありますが、ここにきて一部の企業の中には業績に対して強気で見始めた企業もあるようです。
つまり、今期の業績に対する先行き不透明感が強まる中で、好業績銘柄を選別する動きがいち早くネット関連株で出たのではと思っています。
本日は週末ですので、土日に時間を作って『ハイパー・インデックス』や『割安インデックスマップ』を使って、利益率の良かった業種に関連するインデックスの中から銘柄探しをしたいと考えています。
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レポート担当 森田英俊
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