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チャートを見ない投資家は敗者【四】

2008年05月09日

≪要約≫

前回の『(2)そろそろ下げ止まりそうな「買い値」を見つけることができる』の続編で、少し実践的なチャートのチェック方法をレポートします。

≪本文≫

株式投資で「チャートが重要」な根本的な理由には、大きく分けて3つあります。

(1)株価が「大きく下がった底値近辺かどうか」が分かる
(2)そろそろ下げ止まりそうな「買い値」を見つけることができる
(3)確実に売れる可能性が高い「売り値」を見つけることができる

株式投資で勝つ=利益を上げるためには、(1)TOPIXや日経平均など株式市場が大きく下がったときに株価が底値近辺で割安な銘柄を見つけて、(2)買った後に大きく下がらない株価で買い値を決め、(3)そして売れそうな株価で確実に売るという流れになります。

前回までで(1)と(2)の途中までレポートしましたので、今回は(2)の続きで「ちょっと応用編」についてレポートします。

(2)そろそろ下げ止まりそうな「買い値」を見つけることができる≪続き≫
株式投資で利益を上げるためには、「できるだけ安いとき」に買って「できるだけ確実に売れそうな株価」で売る必要があります。前回は、この中の「できるだけ安いときに買う」について、チャートを見れば抵抗ラインを見つけることができるとレポートしました。

しかし実際にチャートをチェックして抵抗ラインを引きますと、抵抗ラインは1本だけではなく何本も引くことができます。そうしますと「どの抵抗ラインが強い抵抗ラインなのか?=どの抵抗ラインで下げ止まる可能性が高いのか?」という判断が必要になります。


このようなとき、私がどうやって強い抵抗ラインと弱い抵抗ラインを判断しているかといいますと、過去に株価が上げ止まったり下げ止まったりした回数が“多いか少ないか”で判断しています。

なぜ、上げ止まったり下げ止まったりした回数が多い抵抗ラインほど「強い抵抗ライン」になるのかといいますと、この回数が多ければ多いほどチャートを見た投資家が「過去に何回も上げ止まったり下げ止まったりしているのだったら、今回もきっと同じ株価で(上げ止まったり)下げ止まる可能性が高くなるかもしれない」と考えて、買い指し値を入れる可能性が高くなるからです。

もちろん、回数が多い抵抗ラインで株価が「100%下げ止まる」とは限りませんが、それでも強い抵抗ラインかどうかをあらかじめチェックすることができれば、限られた投資資金を戦略的に配分することができるようになります。




今は書いていませんが、以前は毎週金曜日の会員向けレポートで自分自身の運用状況を「近況報告」として公開していましたが、2007年は11月末の時点で持ち株をすべて処分し(=株式組入比率が0%)、2007年末までまったく株を買わずに下がるのを待つ戦略を取りました。それはこの「抵抗ライン」と「バリューライン」と「株式組入比率」という3つの武器で買いタイミングと資金配分、そして売りタイミングについて自分なりのシナリオを作って投資したからです。

このように、チャートを見れば株価がそろそろ下げ止まりそうな抵抗ラインを見つけることができますので、底値近辺で「買い値」を決めることができるようになります。しかし自分一人の力では、最初からチャート上に抵抗ラインを引くことができなかったり、自信がないという人もいますので、ケンミレではボタン一つで抵抗ラインを表示するいくつかの機能があります。




他にも代表的な抵抗ラインには「一目均衡表」や「移動平均線」などがあり、ケンミレでもすべて表示することができますが、最初から安易にボタン一つで表示できる抵抗ラインだけで判断するのではなく、できるだけ最初は自分で抵抗ラインを引く努力をした方が良いと思います。

なぜなら、自分で抵抗ラインを引くために嫌でも「チャートの表示期間を長く」したり、「チャートの上げ止まりや下げ止まりの転換点がどこにあるのか?」を意識してチャートを見るようになりますので、自然とチャートを見る目が養われるからです。そして自分で引いた抵抗ラインをチェックした後にプラスαの参考として、さまざまな抵抗ラインを表示して、そろそろ下げ止まりそうな「買い値」を最終的に判断するようにした方が良いと思います。

・抵抗ラインの判断の精度をアップするコツ
チャートを見ればこのような抵抗ラインを使って「買い値」を決めることができますが、上昇トレンドの強い相場のときと下落トレンドの弱い相場のときでは抵抗ラインの判断を変えることによって、より精度をアップさせることができます。

反対に、「前回の高値を次々と上回る」のが上昇トレンドの定義です。しかし『投資した銘柄すべての銘柄に勝ちたい投資家は敗者』でも書きましたが、上昇中の押し目を買い続けますと最後は100%損をしますので、上昇トレンドのときのコツは省略します。

さて、さらに抵抗ラインの精度を高める方法で簡単にできることに、さまざまな売買タイミング指標と一緒にチェックする方法があります。代表的な売買タイミング指標には「RCI」や「RSI」や「ストキャスティクス」などがありますが、これらの指標が大きく下がって割安な状態になっているタイミングと、抵抗ラインに近づいているタイミングが重なっているかどうかで「強い抵抗ラインになりそうかどうか=底値に近づいているかどうか」の判断をします。

ちなみに、株式市場全体の大きな戦略で想定シナリオを立てるとき、私はTOPIXのチャートの抵抗ラインやバリューラインと「信用取引の評価損益率」のグラフと重ねてチェックして判断するようにしています。

このTOPIXチャートでは、株価が抵抗ラインに近づいたCとDのタイミングで買っていると、その後から株価は上昇せずに下がっていますので結果的には「失敗」ということになってしまいますが、それでも株価が抵抗ラインに近づいて信用取引評価損益率も大きく下がったEのタイミングで買うことで、トントンもしくは差し引きトータルではプラスで売ることができるようになります。

今回は「ちょっと応用編」ということで長くなりましたが、今日も何回か登場しましたが実際には抵抗ラインだけでなくバリューラインも活用しながら買いタイミングを決定するようにします。バリューラインはいずれこのレポートでも書きますが、前回と今回で書いた「チャートを見てそろそろ下げ止まりそうな買い値を見つける方法」をまずマスターするだけでも、買ってからさらに株価が大きく下がって損をする失敗を減らすことができると思います。

次回は『(3)確実に売れる可能性が高い「売り値」を見つけることができる』についてレポートします。

◇相場環境について

今年の2月あたりから会員向けのレポートでは書いていましたが、今の日本の株式市場は「米国の株式市場次第」で動いている傾向が強くあると見ています。したがって、相場環境をチェックする際は必ず米国の株式市場の動きをまずチェックして頭にインプットしてから、自分なりの想定シナリオを立てるようにしています。


米国株式市場の動きをインプットした上で、日本の株式市場の傾向をTOPIXのチャートでチェックしますが、まずは『マクロからミクロ』ですので『マクロ』の週足チャートで長期バリューをチェックします。なぜ「TOPIXなのか?」につきましては、これまで何度もレポートしていますので今回は省略します。


最近は日米ともに株価が戻り歩調でリバウンドしていますが、基本的には2003年から始まった上昇トレンドは、長期バリューのアンダーバリューラインを割ったことで下落トレンドに転換している可能性が高いと見ています。この下落トレンドの中での細かな動きをチェックするために、次に『ミクロ』で日足チャートで中期バリューをチェックします。


そうしますと、現在の日本の株式市場はTOPIXの動きを見る限り「長期バリューではちょうどフェアバリュー近辺で“居心地が良い株価水準”にある」ものの、「中期バリューではオーバーバリューゾーンにある」という見方できます。そしてこのチャートに、先ほどの抵抗ラインを重ねて表示して見ますと次のようになります。


長期バリューのフェアバリューが目先の株価の上値を抑える可能性が高く、直近で押し目なく13%も上昇していることから「調整があってもおかしくない」そして「調整があれば再びチャンス到来」という見方をしています。

ただし、仮に調整があっても中期バリューではゆるやかな上昇トレンドに転換している可能性が高いことと、1300p前後で抵抗ラインと新しい上昇トレンドの中期バリューのフェアバリューラインが重なっていること、そしてこの株価水準では長期バリューではアンダーバリューゾーンで割安であることから、1300p前後まで下がるような調整があれば株式組入比率を上げていく戦略を考えることができるのではないかと思います。

ただし、1200p前後にも、抵抗ラインと新しい上昇トレンドの中期バリューのアンダーバリューラインが重なっている株価水準があるので、ここまで下がったときにも買う資金が残っているように株式組入比率を考える必要があると思います。

レポート担当 田中達也

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