≪要約≫
今日は「チャートを見ない投資家は敗者」の続きを書く予定でしたが、押し目待ちに押し目なしの展開が続く今の株式市場との向き合い方についてレポートします。
≪本文≫
まず初めに、株式投資に対して「どれだけの投資リスクを取ることができるか?」によって、今の相場環境が「買っても良いタイミング」なのか、それとも「大きく下がってリスクが低いときまで待った方が良い」のかというように、同じ株式市場を見ていても全然違った向き合い方となります。
つまり「今の株式市場ではどのように対応すれば良いか?」の答えは、取れる投資リスクによって違ってきますので、答えは一つではないということになります。たとえば、先週の金曜日もレポートしましたが、東証一部全体の動きを表わしたTOPIXをもとにして今の株式市場の状態をバリューラインで整理しますと次のように見ることができます。

バリューラインで見た場合、今のTOPIXは大きな株価のトレンド(傾向)を表わす「長期バリューでは割安ゾーン」にありますが、もう少し小さな株価のトレンド(傾向)を表わす「中期バリューでは割高ゾーン」にあることが分かります。
したがって、あくまでも投資リスクを最小限に抑えたい投資家の人は「長期バリューだけでなく中期バリューでも割安ゾーンになるまで下がるのを待つ」という投資戦略になりますが、ある程度リスクが取れる投資の人は「長期バリューでは割安ゾーンだから、株式市場は割安ゾーンから割高ゾーンまで上昇する可能性が高いので、上昇する過程で押し目があれば投資する」という投資戦略となります。
◇投資リスクを最小限に抑えたい投資家の場合
そして投資リスクを最小限に抑えたい人は、日経平均など株式市場全体が大きく下がった割安なときには多くの個別銘柄も大きく下がっている可能性が高くなりますので、このようなときに「さらにRCIやRSIやストキャスティクスなどのテクニカル指標で見ても割安になっている銘柄」だけをピックアップして、強い下値抵抗ラインで買いタイミングを検討するようにすれば、「割安なタイミングで割安な銘柄に投資する」ことができる可能性が高くなります。
なお、ケンミレの投資ソフトはただ単にテクニカル指標が割安になっている銘柄をピックアップするのではなく、一銘柄ごとに「チャートが下がったタイミングとテクニカル指標が割安になるタイミングが一致するためには計算日数を何日間で計算すれば良いか」を見直して、もっとも相応しい計算日数で最適化したテクニカル指標で割安になっている銘柄だけを抽出する『最適指標銘柄探しソフト』や『割安銘柄探しソフト』があります。
つまり見方を換えますと、『最適指標銘柄探しソフト』や『割安銘柄探しソフト』でたくさんの銘柄が抽出されるときは、株式市場が大きく下がって割安になっている可能性が高いときといえますので、これらの投資ソフトで銘柄がたくさん抽出されるかどうかを投資タイミングのバロメーターにすることができるといえます。
ただし、投資リスクを最小限に抑えるためには株式市場が大きく下がるのを待たなければなりませんので、おのずと投資チャンスは少なくなります。したがって、投資リスクが低いタイミングで投資するためには「大きく下がるのを待つ忍耐」が必要となります。
◇ある程度リスクを取ることができる投資家の場合
一方で、ある程度リスクを取ることができる投資家の場合、中期バリューで割高ゾーンでも長期バリューでは割安ゾーンですので「押し目があれば投資して、売買回数を増やすことで利益を積み上げる」という方法となります。
この方法の一番の利点は投資チャンスを増やすことができるということですが、一番の欠点は「小さな押し目が実は大きな下落調整の下げに当たってしまう可能性がある」ことです。したがって、明確な損切りルールを設定して、かつ実行できるだけの「自己管理能力」が高い投資家向けの投資手法といえます。
今の株式市場は3月17日の大底から上昇に転じていますので、テクニカル指標で割安な銘柄はほとんどありません。しかし株式市場は上場している銘柄がすべて一緒に上昇することはありませんので、必ず割安な状態になっていたり、また大きく下がったまま出遅れている市場や銘柄が存在します。
たとえば、TOPIXや日経平均といっても「東証一部市場を表わした一つの市場」にしか過ぎません。株式市場には、東証一部市場以外にも東証二部市場もあれば大証一部市場や二部市場、さらにジャスダック市場やマザーズ市場やヘラクレス市場の新興市場もありますし、これらの市場の中には「建設」や「電機」や「自動車」などの業種で区分けした市場があります。そしてさらに同じ業種でも、行っている事業内容で細分化すればもっと多くの市場を作ることができます。
たとえば「建設」という業種の中にも「東証一部に上場している建設株」だけを集めた“市場”もあれば、「東証二部に上場している建設株」だけを集めた“市場”もあります。さらに「東証一部に上場している建設株」だけを集めた市場の中にも「大型の土木工事や建設工事を行っているゼネコン」だけを集めた“市場”もあれば「住宅などの建築をメインに行っている建設株」だけを集めた“市場”もあります。
つまり、株式市場は「一つ」ではなく、上場市場や業種別や事業品目別やテーマ別で細分化すればするほど「たくさんの“市場”を作る」ことができますので、このような“市場”の中から割安な市場や出遅れている市場を探し、さらにその中から「割安なっていたり、出遅れている個別銘柄があれば投資する」ようにすれば、TOPIXや日経平均の値動きに関係なく一年を通じて投資チャンスを増やすことができます。
したがって、業種別株価指数などのチャートを見て割安になっている業種(=市場)を探し、その市場の中からさらに割安になっている銘柄が見つかれば投資するという手法です。ケンミレでは、上場市場や業種別や事業品目別やテーマ別で細分化した“市場(これをインデックスと呼んでいます)”として、現在450ほどの市場を持っています。
しかし450もの市場の全部のチャートをチェックするのは大変な時間と労力が必要になりますので、ケンミレでは『ハイパー・インデックス』や『割安インデックスマップ』という投資ソフトを使って、割安な状態になっている市場や出遅れている市場をある程度まで絞り込んでから、残った市場の中に含まれている個別銘柄の中から割安銘柄だけをさらに絞り込むようにしています。
▼『ハイパー・インデックス』や『割安インデックスマップ』で絞り込む
◇まとめ
整理しますと、まずは今の株式市場に対して「割高なのか、割安なのか」をチェックして、「投資リスクを最小限に抑えるのか」、それとも「ある程度リスクを取るのか」を判断します。
投資リスクを最小限に抑えるのであれば「大きく下がってリスクが低い投資タイミングが来るのを待つ」ことになりますし、ある程度リスクを取ることができる投資家であれば「割安市場の中から割安銘柄が見つかれば検討する」ということになります。このとき、投資リスクを取ることができる人でも「たくさん買うのか、それとも少しだけ買うのか」という株式組入比率を考えることで、さらにリスクをコントロールすることができます。
したがって、まずは「自分がどれだけ投資リスクを取ることができるのか?」を認識する必要がありますが、基本的には年間の目標利益率を上回るペースで利益が出ている人は「目標以上に上回っている利益が損する分までリスクを取ってもOK」となります。しかし年間目標利益率を下回っているペースの人や、すでに損をしている人は「これ以上の損はできないので、安全性が高い投資タイミングのときだけ投資する」ようにした方が良いと思います。
レポート担当 田中達也
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