現在位置 : asahi.com > ビジネス > 経済を読む > 記事 ここから本文エリア

労働契約法波乱含み 雇用ルール法で明確化

2006年04月06日

 労働者と会社とが結ぶ雇用契約の基本ルールを定める「労働契約法」の骨格作りが今月から、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会で本格化する。雇用の流動化、これまで労働協約作りで重要な役割を果たしてきた労働組合の組織率低下などを受け、解雇や出向・転籍などの取り扱いを法律面から明確にするのが狙い。金銭を払えば解雇できる制度、就業規則の変更権をもつ新たな委員会制度なども提案されている。しかし、これまでにない発想の仕組みだけに、経営側にも労組側にも警戒や反発が根強い。

 個々の労働者と企業が結ぶ雇用契約については、労働基準法が最低限の基準を定めている。これを踏まえ、労組が経営者と交渉して決める労働協約や就業規則に基づいて契約が結ばれる。

 だが、労働契約上の権利や義務を幅広く規定した法律がなく、労働者個人と会社が争いになった場合、裁判所の判例の蓄積だけが解決の頼みになっている。

 労組組織率の低下、リストラの加速、非正社員の増加など雇用の流動化で、労働者個人と会社が争う例は増えているが、処理ルールが分かりにくいため、明確な法制化を求める声が高まった。

 厚労省は04年に「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」(座長・菅野和夫明治大学法科大学院教授)を設置。昨年9月にたたき台となる報告にまとめた。現在は労働政策審議会の労働条件分科会で議論されている。

 労働界は「判例だけでは、労働契約のルールが素人にはわかりにくい」(長谷川裕子連合総合労働局長)と訴えてきたので、法制化そのものには賛成。しかし、報告が提案するいくつかの仕組みには反発している。

 特に問題視するのが労使委員会。今の制度では就業規則を決める経営との協議は労組が担う。しかし、組織率が低下する組合を補う制度が必要との声もある。報告は半数以上を労働者で構成する常設の労使委員会を設け、5分の4以上の賛成で労働条件を変更できるとした。連合は「労働条件の変更には個人の同意が必要。また、委員会では労使の対等性が保証されない」と指摘する。

 労組側は解雇の金銭解決制度にも反対している。判決で解雇が無効だとされても、経営側が一定のお金を払えば事実上解雇できる制度。報告は、労働者側だけでなく経営側も申し立てられるようにしたが、「人間関係がうまくいかない、などの理由で乱用される心配がある」としている。

 解雇の金銭解決には賛成の経済界だが、「企業に対する規制強化」との警戒感もある。例えば、有期労働契約なのに契約書に契約期間を明記しない会社は少なくない。これに対して報告は「契約期間が書面で明示されなかった場合には期間の定めのない契約とみなす」とした。経営側は「中小企業の場合、『明日から働いて欲しい』ということもあり、非現実的」と批判する。

 労働条件分科会は7月までに中間答申をまとめる予定。11日に開く次回の会合で、今後の論点を整理する。

◆今後の労働契約法制の在り方に関する研究会報告のポイント◆

【労使委員会の常設】 委員の半数以上が事業場の労働者を代表。委員の5分の4以上が賛成すれば就業規則を変更できる

【解雇の金銭解決制度】 解雇が無効だと判決が出ても、解決金を支払うことで労働契約関係を解消することができるようにする

【有期労働契約の手続き】 経営者が契約期間を書面で明示しなかった場合、法的には期間の定めがない契約だとする

【雇用継続型契約変更制度】 労働条件を変更しようとする経営側の申し出を労働者が受け入れなかった場合でも、解雇されずに協議を続ける制度を設ける

PR情報



ビジネス

ここから広告です
ここから広告です
広告終わり

どらく DO楽

誰とでも仲良くできます♪
スコティッシュフォールドってどんな猫?ペットのお悩みご解決!
お父さんのお稽古
蜷川幸雄さん登場

特集

英訳版コミックス特集
英訳されている日本の「Manga」、「ぎゃぼーっ」を英語に直すと…?
住まい玄関ドアカーテンのナゾ
ショッピングお花見ティータイム
健康医師の処分、ネットで検索
教育「一家に1枚 宇宙図を!」
BOOKもっとモテる男になる方法
囲碁趙十段が2連勝 囲碁十段戦
クラブA&AダンスPJT始動!大浦みずき
就職・転職2月の失業率、横ばい
トラベル愛の旅人、杉田久女
愛車特別仕様車を探せ!
デジタル超薄型ステレオスピーカー
中国特集温首相、来日の日程固まる
将棋橋本七段、松尾六段が昇級
文化・芸能カッコイイ!!男のゲーム
ここから広告です
広告終わり

マイタウン(地域情報)

∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.