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「アシモ」一歩一歩22年 最新型は自分で判断

2008年03月28日

 ホンダの二足歩行ロボット「アシモ」が進化を続けている。昨年暮れにお披露目された最新型は、どう動くべきかを自ら判断し、ほかのアシモと助け合って仕事する能力も持つ。開発に乗り出してから22年。自分で考えて動く「ヒューマノイド」に、ロボットは一歩近づいた。

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96年にホンダが発表した二足歩行ロボット「P2」

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最新型アシモ。客がテーブル上の端末のボタンを押すと、お茶を運んでくる=ホンダ本社で

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カートに載せて飲み物を運ぶ最新型アシモ

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アシモ開発者の広瀬真人・本田技術研究所基礎技術研究センター第2研究室長

■客を先導、飲み物運ぶ、助け合い

 「イラッシャイマセ」

 東京・青山のホンダ本社ロビーで、実験中のアシモが訪問客を出迎えた。客の胸につけられたIC通信カードに反応して出迎えるように設定してある。

 ほかの人にぶつからないように先導してテーブルまで案内することも、テーブル上の端末を通じて注文された飲み物をカートに載せて運んでくることも、どちらもアシモの仕事だ。

 新型アシモの特徴は「自律性」だ。多くの人が行き交うロビーで、進行方向にいる人をよけるべきか、一歩下がって道を譲ったほうがいいのか。アイカメラで人の進行方向と速度を割り出し、その後の動きを予測して、どんな行動をとるべきか判断する。

 実験とはいえ、ホンダが二足歩行ロボットを、多くの人間が動き回る場所で解き放したのは初めて。これまでは、ステージ上など区切られた空間で披露するだけだった。

 共同作業ができるのも新型アシモの特徴だ。1台がお茶を運び、暇なもう1台がお客に配る。無線のネットワークを通じて複数のアシモがそれぞれの位置と作業状況の情報を共有し、最も効率的な分担方法を判断する。

 アシモ開発一筋の広瀬真人・本田技術研究所基礎技術研究センター第2研究室長(52)は、「ロボットが人と同じフロアに下りてきた」と感慨深げだ。

■「鉄腕アトムをつくるぞ」

 ホンダのロボット開発は、研究所首脳の「鉄腕アトムをつくるぞ」のかけ声がきっかけ。工作機械メーカーから転職したばかりの広瀬さんらが、86年7月に極秘で開発を始めた。

 10年が過ぎた96年12月、ホンダは世界初の自律二足歩行ロボット「P2」を発表した。182センチの長身にコンピューターや無線機器を収め、重さは210キロもあった。

 4年後にはより小型のロボット、アシモを発表。最新型は身長130センチ、54キロに軽量化した。

 日本ロボット工業会によると、日本は世界の産業用ロボット生産の3分の2を担う「ロボット大国」だ。二足歩行ロボットの技術でもホンダが先行しているが、ライバル・トヨタ自動車も昨年12月、家事や介護向けのロボットを発表。開発競争が熱を帯びてきた。

 ただ、現在のアシモはリース料だけで年間2000万円。一般販売は実現せず、ホンダが目指す「1家に1台、人間の代わりに作業をこなすロボット」という状況にはほど遠い。「2015年ごろには発売にこぎ着けたい」が、広瀬さんの目標だ。

■ホンダの二足歩行ロボットの進化■

1986 開発スタート。当初は足部分のみ開発

  88 時速1.2キロの滑らかな歩行に成功

  93 人間型の1号機「P1」完成。物をつかめるようになる

  96 世界初の自律二足歩行ロボット「P2」発表。階段を昇降し台車を押せるようになる

2000 初代アシモ完成。親しみやすさと作業能力を両立するため、身長120センチに

  02 アシモを改良。接近した人へのあいさつや、10人程度の顔の識別が可能に

  05 先代アシモ発表。時速6キロでの走りや人と手をつないでの歩行が可能に

  07 自ら判断する最新型を発表

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