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白川氏、50代の総裁半世紀ぶり かじ取り未知数

2008年04月08日

 第30代の日本銀行総裁に白川方明副総裁(58)の昇格が固まった。50代の若さでの総裁就任は52年ぶり。サブプライム問題や原油などの原材料高、景気の減速懸念など問題は山積する。異例の総裁空席で総裁代行に就任してから20日足らず。白川氏の次の一手に注目が集まる。

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 白川氏の昇格は、戦後の公職追放で経営陣がいなくなり、急きょ会社のかじ取りを任された「三等重役」を連想させる。源氏鶏太氏の小説のタイトルで流行語となった、周囲から不安視されながらも若さを武器に戦後復興の礎を築いた世代だ。

 これまでに50代で日銀総裁となった3人は、いずれも戦後間もないころに誕生した。実際、「法王」の異名をとった一万田尚登氏は、前任者の公職追放により52歳で就任している。しかしその後は、官僚の頂点とも呼ばれる旧大蔵事務次官の経験者と、日銀内で総裁候補として要職の経験を積んだ「プリンス」が交互に就く「たすきがけ人事」が慣例に。総裁の年齢は次第に上がっていった。

 今回は「ねじれ国会」の直撃を受けて事情が変わった。財務省や日銀が5年かけて温めていた武藤敏郎・前副総裁の昇格案は、参院で多数を握る野党に拒否された。あおりで、もともと武藤氏の補佐役として副総裁に就くはずだった白川氏が押し上げられた。白川氏の年齢は日銀の最高意思決定機関である政策委員会では真ん中あたり。会社で言えば執行役員にあたる6人の理事は全員年下だが、3人は1歳しか違わない。政界にも「貫禄(かんろく)がない」(与党議員)などの声がある。

 ただ、主要国の中央銀行トップと比べると、決して若いわけではない。日銀内でも「グローバルな金融市場の変化は速い。若返りはプラスだ」(幹部)との声も出ている。

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 白川氏は3月21日の副総裁就任会見で「利下げ」についての考え方を聞かれ、「短期金利だけを機械的に判断するのは適切ではない」と述べた。慎重な言い回しだが、長期金利も含めて市場金利は十分低いと言いたいようだ。利上げの機会をうかがってきた日銀の従来の姿勢を踏襲するかにも見える。

 もちろん、すぐに利上げができる環境ではない。サブプライム問題の影響で、拡大を続けてきた世界経済は下ぶれ懸念が強まり、国内の景気も原材料高が直撃して減速している。ただ、学習院大学の岩田規久男経済学部長は「状況が落ち着けば、利上げを志向する伝統的な日銀マンの考えに陥る恐れがある」と、懸念する。生鮮食料品を除く2月の消費者物価は、石油製品や食料品の値上がりの影響で前年同月比1%上昇と98年3月以来の伸びを示しており、こうした状況が続けば、利上げの理由付けになるのでは、と見るからだ。白川氏は理事時代、量的緩和拡大を目指す福井俊彦前総裁と対立した経歴もある。

 一方、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「白川氏は金融のプロで海外の人脈も広い。バブルの反省やサブプライム問題もあって、物価だけでなく、金融機関の資産の偏りなども注視して金融政策を進めていくのではないか」と、手腕に期待する。(中川仁樹)

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