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デルタ・ノースウエスト合併 原油高に不景気追い打ち

2008年04月16日

 航空大手、米国のデルタ航空とノースウエスト航空が14日、合併で合意し、世界最大の航空会社となる。燃料高に景気減速が追い打ちをかける厳しい経営環境に押された格好だ。両社の日本発着路線は当面維持されると見られるが、米航空業界の再編が動き出し、他の大手でも再編機運が高まりそうだ。

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合併を決めたデルタ航空(右)とノースウエスト航空の航空機=ロイター

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 「国際的な米国のフラッグ・キャリア(旗頭となる航空会社)をつくる」

 14日夜に合併合意を発表したデルタとノースウエストは、世界最大となる新会社の誕生をこう意義づけた。経営破綻(は・たん)を繰り返しつつも消滅を免れ、過当競争の呪縛から逃れることのできなかった米航空大手が、ようやく再編へと踏み出した瞬間だった。

 01年9月の米同時多発テロ以降、航空需要の急減や燃料費の高騰で、米大手6社のうちデルタとノースウエストを含む4社が連邦破産法11条に基づく会社再生手続きの適用を申請し、破綻した。いずれも負債の圧縮や人件費の削減などで存続し、激しい競争環境が変わることはなかった。

 合併や買収の話は再三出ていたが、なかなか実現しなかった。その背景には、01年にユナイテッド航空とUSエアウェイズの合併計画を米司法省が「独占禁止法に触れる」と判断し、計画が白紙撤回された一件がある。「合併は禁じ手」との重しが業界にのしかかり、デルタとノースウエストの合併も「独禁当局の承認が得られるかは微妙」(ライバル社の社員)と指摘される。

■業界再編、世界的な波

 それでも両社を再編へと駆り立てたのは、一段と進む原油高や景気の減速を受け、世界的に業界再編の波が押し寄せているためとみられる。

 デルタとノースウエストが再建手続きを終えて再出発した昨春以降、原油価格は1バレル=100ドルをあっさり突破し、倍近くへ値上がりした。新興の格安航空会社の台頭も経営を圧迫し、大手の大半が07年10〜12月期決算で増収でも赤字という苦境に陥った。デルタとノースウエストは、合併に伴う経費の節減などで「記録的な原油高の影響を相殺できる」と利点を説明する。

 再編で先行する欧州では、フランスとオランダで経営統合したエールフランスKLMが、経営難に陥ったイタリア大手アリタリア航空の株の取得を目指すなど、大型再編が相次ぐ。デルタとノースウエストは、合併にあたって「外国航空会社との競争」も強調し、勝ち抜く意欲を示した。

 米航空業界では、コンチネンタル航空が、ユナイテッド航空を傘下に持つUALなどと交渉を続けていると報じられている。今回の合併が再編の呼び水になる可能性がある。

 ノースウエストは47年、日本に最初に乗り入れた外資系の航空会社で、今でも日本発着便は週200便以上ある。後発のデルタが持つ日本発着便はごくわずか。逆に中南米路線ではノースウエストよりデルタが圧倒的に強く、「補完関係が強い」とされている。このため合併が実現しても、日本発着便が大幅に減らされることは当面ないとみられ、日本の利用客への影響は大きくはなさそうだ。

 再編の波は日本の航空業界にも及ぶのか。航空法に外資の保有比率を3分の1未満に制限する規制があるため、国土交通省は「日本の航空会社に再編が及ぶ可能性は無い」(幹部)と断言する。ただ、国内航空会社の間では、再編によって欧米勢のコスト競争力が将来的に強化される可能性もあると、警戒する見方が出ている。(丸石伸一=ニューヨーク、大平要)

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