決算発表の2割、ピーク日に集中 東証上場企業3月期2008年04月18日 来週から本格化する上場企業の決算発表は、日程の集中が進んでいる。5月15日には、東京証券取引所に上場する3月期決算企業の約2割が発表を予定。一日に発表する企業数としては過去最高だ。集中しすぎることで、投資家が公表内容の中身を吟味しにくくなる弊害が懸念されている。
東証の10日時点での集計では、東証1部と2部、マザーズに上場する1809社のうち376社が5月15日に決算発表する予定。ピーク日の発表社数は、連結決算ベースでの集計記録が残る02年3月期以降では最高となる見通しだ。 投資家に迅速に決算情報を伝えるため、東証は上場企業にできるだけ早い開示を求めてきた。決算期末から60日以内が一般的だった決算情報の開示時期を、昨春から一気に2週間以上前倒しして45日以内にするよう要請。期末から決算発表までにかかる平均日数は、02年の48.3日から07年は40.9日に短縮した。 要請に強制力はないが、東証は「早期開示の流れは進んでいる」と強調する。4月2日に決算を発表した焼き肉チェーンを展開する「あみやき亭」(東証1部)は「早い時期に決算を出せば、次の目標に速やかに全力投球できる」と、スピード発表の効用を説明する。 ただし「45日ルール」には「努力はしているが、監査の厳格化もあり、現状ではぎりぎりのタイミング」(地銀幹部)との声が多い。期限内に間に合わせるために、「締め切り日」の5月15日への集中度が高まることになった。 発表が特定日に集中すれば、企業の経営内容を広く投資家に知らせるという意義が揺らぎかねない。集中日の午後3時台に開示を行う予定の企業が相次いでいるため、決算の内容を吟味する時間が足りなくなりがちだ。 三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長は「決算発表の集中は内容を把握しにくくなり、望ましい動きではない」と指摘。市場には「業績が悪い企業が注目を集めないように、あえて集中日に発表を設定する可能性もある」(市場関係者)との懸念もある。 東証は11日、「記者会見の開始が予定より大幅に遅れることも想定される。発表の集中は決算情報の消化に弊害が生じる」(上場部)として、5月15日よりもさらに早い発表を企業に要請した。ただ、東証に上場するある建設会社の担当者は「決算処理システムなどの根本的な見直しが必要になり、大きな負荷がかかる」と話している。(古屋聡一)
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