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アナログ放送一斉終了、大きな賭け 地方で認知進まず

2008年04月20日

 地上アナログ放送が約3年後、全国一斉にストップする見通しになった。地方での地上デジタル放送(地デジ)の認知度の低さ、経済的弱者や難視聴世帯向けの対策など課題が山積する中での「大きな賭け」だ。「アナログ停波延期」という選択肢もささやかれる状況で、関係者の危機感は高まっている。

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 ■一斉停波、なぜ

 「先行停波を一番望んでいたのはテレビ局。役所や有識者も、それに越したことはないと思っている」。放送行政に詳しい関係者が重い口を開いた。一部地域で先行停波すれば、予期できない放送上のトラブルを全国で停波する前に見つけられる。地域ごとに段階的に停波すれば、機器の買い替えやアンテナ工事の注文の殺到も防げる。

 それでも一斉停波を選ぶのは、約3年後の地デジ完全移行までに残された時間が短くなってきたうえ、地デジ受信機の普及率が地方では都市部より低いからだ。

 特定の地方で先行停波すれば、視聴者らから「デジタル放送開始は都市部より遅かったのに、どうしてアナログ停波は早いのか」という反発が出ると、総務省幹部は心配する。地デジ普及に理解のある自治体が名乗りをあげない限り、対象選びは難しい。

 ■財源確保も課題

 地デジ完全移行に向け、課題は山積している。

 まず、地デジ受信機の世帯普及率を高める必要がある。総務省は、今夏の北京五輪を機に普及のペースが上がり、完全移行前の11年4月までには5千万世帯に行き渡って普及率は100%になると想定する。

 これに対し、放送業界には「果たして五輪で弾みがつくのか」という懸念がある。今夏からテレビ画面に「アナログ」の文字スーパーやロゴを流すのは、危機感の表れだ。

 地デジを見るには、現在2万円程度のチューナーを買うなどの必要がある。生活保護世帯などへの普及をどう進めるのか。総務省は今夏までに支援策をまとめるが、どの程度の所得水準の視聴者を対象にするのか、議論は分かれそうだ。対象者に配るものも、現金、クーポン券、チューナーの現物などの案が浮上しているが、財源が必要になる。

 高層ビルの影響で地デジ視聴が難しい約650万世帯への対策も心配材料だ。「民間任せでは物事が進まない」(キー局幹部)として、国の関与を求める意見もある。

 アナログ放送の一斉停波で地デジ関連機器の買い替えや工事がどの程度集中するのかも、当局や業界は測りかねている。総務省幹部は「そうした点も精査する必要がある」としている。

 米国や韓国は、地デジ受信機の普及の遅れなどでアナログ停波を延期している。日本でも早期に問題解決の見通しが立たなければ、延期論が台頭する可能性がある。(橋田正城)

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