揺れる流通・外食 米産牛「危険部位」混入2008年04月25日 米国産牛肉に、牛海綿状脳症(BSE)の原因物質が蓄積しやすい「危険部位」が混入していたことで、牛肉を輸出した米大手精肉業者と取引のある流通・外食企業は24日、対応に追われた。問題の牛肉は市中に出回っておらず、今のところ影響は限定的だが、米国産牛全体に不信感が広がる懸念は消えない。
「『特定危険部位』を含む牛肉が店頭に出荷される可能性は全くありません」。吉野家ホールディングスは24日、「牛丼の安全性について」と題する文書を発表し、安全性を改めて強調した。電話やメールで問い合わせが数十件あったが、「安全管理に問題はないのか」と批判する内容と「水際で見つけたことを評価する」という好意的な内容が半々だったという。 吉野家向けの牛肉輸入を担う伊藤忠商事によると、米農務省が発行する衛生証明書と箱に張られたラベルを照合することが入港後の主なチェック作業となっている。この後、厚労省と農水省によるサンプル検査がある。 伊藤忠商事は「政府による検査があるため、今までは箱の中身を調べることはしなかった。検査の強化策を検討したい」とする。 吉野家は「牛丼販売では若干落ち込んでいる」という。同じ牛丼チェーンの松屋を運営する松屋フーズは「今後、風評被害で客足が減らないか心配だ」と話す。 牛肉を輸出したナショナルビーフ社は、米国でメジャーに次ぐ「準大手」。高品位の牛肉を手がけることで定評があり、日本国内でも多くの外食や流通企業が取引している。 取引のあるダイエーやマルエツは24日、ナショナル社の牛肉を店頭から撤去。売り場には「お客様の心配に配慮し、販売を中止します」との告知文を掲げた。ダイエーは牛肉の販売全体に占める米国産の割合が10%台で、「影響は避けられない」という。 共同仕入れ機構「シジシージャパン」も扱う米国産牛の全量をナショナル社から調達し、加盟約100社のスーパーに卸す。問題のあったカリフォルニア工場の製品は全体の8%で、同工場からの仕入れは当面停止する。 外食産業では、ステーキチェーン大手の「どん」が、同工場の牛肉を使ったメニューをやめた一方で、ナショナル社と取引がある外食大手の「すかいらーく」は「自社の全量検査後に使用するため問題はない」という。 流通や外食業界では、過去のBSE騒動で消費者の米産牛離れが進んだため、国産や豪州産の扱いを増やし、米産牛については独自に検査機関に委託して現地工場を視察したり、全箱検査を実施したりしてきた。日本マクドナルドやモスフードサービスでは米国産は使用していない。 大手スーパーでも、イトーヨーカ堂は「販売する側も冷静に対応しないと、逆に消費者の不安をあおる」と米国産牛の販売を続ける考えだが、ユニーはナショナル社からの牛肉だけでなく、米国産の販売はすべて中止し、対応は分かれた。 中国製冷凍ギョーザの問題などで、消費者が食の安全に敏感になっており、今回の影響は読み切れない。 PR情報ビジネス
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