後発薬、インド勢参入攻勢 中堅メーカーを次々買収2008年05月04日 特許切れの成分を使った後発医薬品(ジェネリック医薬品)の国内市場に外資が攻勢をかけている。主役はインド企業だ。日本の中堅メーカーを次々買収している。日本政府が医療費を抑えようと、値段の安い後発薬の「普及率倍増」に乗り出したからだ。
インドの中堅後発薬メーカー、オーキッドケミカルズ&ファーマシューティカルズは、今月、日本法人を設立。東京都内で4月に記者会見したC・B・ラオ専務は、「5年後に日本市場での売上高を100億円以上にしたい」と述べた。日本企業との提携や合併・買収(M&A)で事業を広げる考えだ。 インドは、製薬をIT(情報技術)と並ぶ産業の柱に育てようとしている。新薬(先発薬)は1品あたり数百億円の研究開発費がかかるが、後発薬なら、それほど元手がかからない。インド国内に生産拠点をつくり、後発品のシェアが高い欧米市場には十数年前から進出してきた。 日本にはこれまで販売網や生産拠点がなかったため、素早く事業を立ち上げるために、日本企業を傘下に入れる動きが相次ぐ。 高血圧向けの後発薬などを扱うザイダスは、07年4月に日本ユニバーサル薬品(東京都)を買収。ルピンは07年10月に共和薬品工業(大阪市)を約100億円で買収した。大手のランバクシーは日本ケミファの後発薬子会社に資本参加し、出資比率を50%に高めた。この会社を通じ、順次インド製の後発薬の販売量を増やす計画だ。 さらに複数のインド大手が本格的に参入してくると言われ、日本の後発薬メーカー幹部は「買収や提携の話がいくつも持ち込まれる」と話す。 日本市場は、後発薬が伸びず、割高の先発薬が特許切れ後も使われ続ける割合が高かった。このため、国は07年の「骨太の方針」に、後発薬の普及率をいまの17%から12年度までに30%以上にするとの数値目標を明記。今年4月からは、医師が処方箋(せん)にサインしない限り後発薬も処方できるようにした。 もう一つの背景は、国内メーカーの規模の小ささだ。後発薬世界首位のテバ(イスラエル)の売上高は1兆円超。一方、国内最大手の沢井製薬は343億円(07年3月期)で世界32位に過ぎない。国内約40社の大半が売上高100億円以下だ。 買収攻勢を受け、国内勢同士の再編も進みそうだ。国内4位の日医工(富山県)は3月、帝国製薬(香川県)の後発薬子会社の買収を決めた。「ここ数年で10社ほどに集約されるのではないか」と見る関係者もいる。 日本ジェネリック製薬協会の会長を務める沢井製薬の沢井弘行社長は「外資の参入は市場を活性化させる」と歓迎しながら、「外資は海外で生産した薬を販売するため、買収先の国内工場を閉鎖することもありうる。製薬産業の空洞化につながるのは避けたい」と懸念も示す。沢井製薬は売上高を約3倍の1千億円に伸ばす目標を掲げ、M&Aも選択肢に入れている。(諏訪和仁)
◆キーワード 後発医薬品 新薬の特許期間(20〜25年程度)が切れた後に、別のメーカーが同じ有効成分で売り出す薬。研究開発費がほとんどかからないため、値段は新薬の2〜7割程度に下がる。日本の市場規模は約4400億円(06年、薬価での金額)で、薬剤費に占めるシェアは5・7%。医療用医薬品の使用量に占める割合(普及率)は、米英独で約6割、仏で約4割だが、日本では約17%。 PR情報ビジネス
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