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2012年12月1日
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アジアの眼

マレーシア 定年延長で物議

モーニングスター社

 2013年にも導入される民間企業の60歳定年制度をめぐって、マレーシアの労使が対立している。

 マレーシアでは、これまで民間企業の定年退職について明確な規定はなかったが、公的年金に当たる従業員積み立て基金の引き出しが可能となる55歳での定年が一般的だった。昨年、公務員の定年が58歳から60歳に引き上げられたことが、民間にも波及した形だ。

 マレーシアの平均寿命は75歳。年金受給者の増加による年金不足への不安から社会問題化し、定年延長の動きに拍車がかかった。

 マレーシアの年金制度には問題が多い。従業員積み立て基金は55歳で一括引き出しができるため、短期間で積立金を使い果たしてしまうおそれも指摘された。さらに、55歳定年の場合はリタイア後、平均20年間は職に就かないことになる。退職者の貧困化などを招きかねないとして、定年延長は不可避とされてきた。

 しかし、60歳定年の早期実施を訴える労働者側と、制度導入まで一定の猶予期間を設けるよう求める経営者側との間で対立が深まっている。

 定年の引き上げは人件費増につながる。そのうえ、来年1月に導入見込みの最低賃金制度で賃上げ圧力が強まると予想され、マレーシア経営者連盟が「企業経営を圧迫する」などと強く反発しているためだ。

 政府は民間企業の60歳定年制度を年初から施行すると一度は発表したが、導入時期が来年の半ば以降にズレ込む可能性も出ている。

    ◆

アジアの眼は金曜日の夕刊に掲載します。モーニングスター社の新興国情報のサイト(http://www.emeye.jp/)も参照してください。

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