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2012年12月8日
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アジアの眼

ラオス メコン川のダム着工

モーニングスター社

 ラオス北部のメコン川で11月から、サイヤブリ水力発電ダムの建設が始まった。出力126万キロワット、総工費約3千億円、工事期間8年の大規模プロジェクトだ。

 メコン川は中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流域に持つ国際河川で、下流域には約6千万人が暮らしている。

 流れを変える同ダムの建設に対しては、環境や農業、漁業資源に悪影響を与えるとして、下流域のカンボジアやベトナムから批判が噴出。関係国でつくる「メコン川委員会」などの場で、もっとも影響が大きいベトナムなどが工事の先送りを求め、建設計画は延期されていた。

 ラオスが今回、反対を押し切る形で着工した背景には、めぼしい産業に乏しく、東南アジア諸国に比べて経済発展が遅れている現実がある。

 メコン川の豊富な水力で発電する「東南アジアのバッテリー」となって、周辺国にも電力を供給。売電事業で外貨を獲得しようというのがラオスのもくろみだ。サイヤブリダムの電気は、隣国のタイ発電公社が購入する予定で、すでに覚書を交わしている。

 メコン川の開発に関しては、ラオスだけでなく、中国も下流国の批判にかかわらず、多くのダム建設を続ける。

 自国の利益を優先する姿勢が目に付き、各国共通の資源として東南アジアの大河を利用する構想は、なかなかまとまらない。

    ◆

アジアの眼は金曜日の夕刊に掲載します。モーニングスター社の新興国情報のサイト(http://www.emeye.jp/)も参照してください。

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