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2012年12月29日
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アジアの眼

フィリピン 経済支える海外労働者

モーニングスター社

 フィリピン政府が国内の失業率低下や外貨獲得などを目的とし、国策として進めてきた海外就労制度が、同国経済を潤している。

 フィリピン中央銀行によると10月の海外就業者による本国送金額は前年比8.5%増の1620億円と月間では過去最高となった。今年の10月までの累計額は前年同期比5.8%増の1兆4700億円。過去最高だった2011年の1兆6900億円を上回り、年間の最高額を更新することは、ほぼ間違いない。

 現在、海外で働くフィリピン人は約1千万人で、全人口の約1割を占める。以前は欧米や日本などで家事手伝いや飲食店などで働く女性が多かったものの、最近では開発が進む中東や成長著しいアジアで建設業などに就く人が増加。海外からの送金総額は銀行を経由しないものを含めれば、GDP(国内総生産)の2割にも達するとされ、フィリピン社会や経済にとって大きな役割を果たす。

 フィリピン人の多くが海外で活躍できるのは、高い識字率や英語力など高水準の教育がベースにある。また、フィリピン中銀は為替相場をペソ安に誘導する政策をとっている。ペソ高によって本国へ米ドルなどで送られてくる金額を目減りさせないためでもある。

 1960年代から始まった海外就労の制度化は大きく結実し、期待通りに「出稼ぎ」の拡大をもたらした。フィリピン経済を支えているのは的確な政策と、それを実現可能にした豊富な人材だと言える。

    ◆

アジアの眼は金曜日の夕刊に掲載します。モーニングスター社の新興国情報のサイト(http://www.emeye.jp/)も参照してください。

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