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財政政策の重視

2009年7月4日0時4分

 世界銀行が最近発表した世界経済の予測は2009年マイナス2.9%、10年プラス2.0%、11年プラス3.2%だが、11年までは不況感が残る「目立たない回復」になるという。それは世界の需給ギャップが11年までGDPの6%、先進国では9%程度の水準で推移するからである。

 また世界の主要金融機関が一斉に弱体化している同時不況であることや、今後のインフルエンザ流行などの要因で更に下振れのリスクもあると見ている。

 しかし重要なのはこのような事態をおこした原因を掘り下げ、適切な対処の方向づけをすることではないか。問題の核心は、借り入れによる「レバレッジ」の利かせ過ぎだと言われる。だが、その背景には低成長・低金利の時代に入った先進国でありながら、利殖を求める膨大なマネーに対して、本来は高リスク、高利回りの金融資産を金融工学を使って、低リスクであるように仕立て、それに投資するファンドも借り入れでレバレッジを利かせ、高率の配当で投資家を満足させる、という無理があった。

 それで生み出された膨大な過剰債務が過剰消費のバブルとなった訳である。同時にその収拾は市場原理では手に負えず、財政の力によらざるを得なかった。それは、これまで「大きな政府」を廃し、国としての目的意識や価値観からの吟味、また利害関係の調整にエネルギーがかかる財政の所得配分機能を避け、所得(お金)の貸借という安易な金融政策運営に依存してきたとがめを象徴的に表している。

 これは低成長期に入った先進国では、もっと財政機能を重視し、人間にとって本当に何が大切かを問う目的意識に基づいた政策運営が必要になることを示唆している。(瞬)

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 「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

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