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改革進展に期待 インド株が急騰

2009年5月19日1時36分

 【ニューデリー=高野弦】インドの総選挙で与党・国民会議派が圧勝したことを受け、18日のムンバイ証券取引所の株価が急騰した。16日開票の総選挙で勝利し、続投が確実視されるシン首相が経済改革を強力に進めるとの期待から買い注文が殺到。同取引所は市場の混乱を抑えるため取引停止措置を発動した。

 ムンバイ証取の主要株価指数(SENSEX)は午前9時55分の取引開始とともに急上昇し、直後に取引停止措置(サーキットブレーカー)が作動。取引はいったん2時間後に再開されたが、買いの動きは収まらず、すぐに終日停止が決まった。終値は前週末比17.34%高い1万4284.21ポイントだった。

 シン首相の政権基盤が強固となった安心感から、外国人投資家が積極的にインド株を買ったとみられる。首相は近く新しい政策をまとめた「アクション・プラン」を発表する見通し。その中で、日本企業の関心も高い保険や小売業で外資規制の緩和をはじめ、年金事業への民間参入や株式運用への解禁、国営銀行の株式売却などについて、何らかの示唆をするとの見方が強まっている。

 シン氏は財務相だった91年、経済危機を打開するため、外資規制の緩和、関税の引き下げなどに着手し、自由化路線に舵(かじ)を切った。しかし、首相に就任した04年以降は、共産党など左翼勢力の閣外協力を受けたことで経済改革は減速。今回の圧勝で、改革の歩みが再び速まるとの期待が高まっている。

 厳しさを増す財政事情も改革を後押ししそうだ。これまでに相次ぐ景気対策を打ち出した結果、08年度の国・地方の財政赤字は国内総生産(GDP)比で約11%、債務残高は同82%に達する見通し。長期金利が上昇し、中央銀行が国債の買い入れを迫られるなど、将来のインフレに対する懸念も高まっており、経営コンサルタントのムリトゥンジェイ・アトレヤ元インド経営大教授は「国営銀行の株式売却や規制緩和を進めざるを得ない」と指摘する。

 ただ、慎重な見方もある。三井住友銀行の吉越哲雄アナリストは「国民会議派はもともと社会主義色が強く、党内の反対を抑えて実現できるのか、見極める必要がある」と話している。

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