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富士通、11年度に過去最高益目指す 半導体の改革カギ

2009年7月24日1時27分

写真:経営方針を説明する富士通の野副州旦社長=東京都千代田区経営方針を説明する富士通の野副州旦社長=東京都千代田区

 富士通は23日、11年度に営業利益、純利益とも過去最高益を目指すことを柱とする、09〜11年度の中期経営計画を発表した。世界的な景気の悪化で企業がIT投資を抑える中、最大の課題である半導体事業の構造改革の進展やITを使ったサービス事業の強化が、達成に向けたかぎとなりそうだ。

 富士通の中期経営計画は、最終年度となる11年度の目標を、売上高5兆円、営業利益2500億円、純利益1300億円に設定した。営業利益は00年度の2440億円、純利益は06年度の1024億円を抜き、過去最高益となる高いハードルだ。23日に都内で記者会見した富士通の野副州旦(のぞえ・くにあき)社長は、「日本に軸足を置くグローバルなIT企業を目指すうえで、必要な数字だ」と強調した。

 前提となるマクロの経済情勢について「09年度を底とし、10年度からのゆるやかな回復」を期待するものの、「力強い回復は期待できない」と分析。取引先企業のIT投資も、当面は抑制傾向が続くとみられ、売上高の拡大は望めないのが現状だ。

 そのため、半導体など不採算事業の構造改革を進め、市況に左右されない企業体質を築くことや、海外を含めた情報インフラ分野での新規需要の開拓が、今後のかぎとなる。野副社長は「09年度はもっと構造改革を進め、雲が晴れた時に飛躍できる体質をつくる」という。

 最大の課題は09年3月期に600億円の営業赤字となった半導体のシステムLSI(大規模集積回路)事業の立て直しだ。台湾企業に製造の一部を委託し、開発に経営資源を集中する。固定費削減の効果などから、10年度の黒字化が見えてきたという。だが「他社との協業なども捨ててはいない」(野副社長)としており、再編の可能性を視野に入れている。

 利益率の薄いパソコンや携帯電話については、「一般の消費者に富士通ブランドを浸透させるために必要だ。赤字にならない限りは続ける」として、現時点での撤退について否定的な考えを示した。(高田寛)

■利益出せる体質へ強化

 富士通の野副社長は朝日新聞のインタビューに応じた。主なやりとりは以下の通り。

 ――就任1年の評価は?

 「1年を通して、決めたことを自分なりに実施してきたが、国内の事業再編など、まだまだすべてにおいてスピードが足りない」

 ――足元の業績はどうでしょうか。

 「2年連続の赤字は許されない。09年度は絶対に黒字にしてみせる。晴れた日に1番に走り出すために、今は重装備で準備をしている時期だ」

 ――半導体事業は独自で進めていくのでしょうか。

 「09年度の赤字を縮め、10年度に黒字化することが必達条件。単独でそこまでできる体質を作ることが大事だ。今のままではどこと組むにしても、一緒になった途端にお互いダメになる」

 ――今後の課題は?

 「09年度は為替の影響もあり、(00年度に約5兆5千億円あった)売上高が4兆8千億円まで落ちる。それでも、利益を出せる体質にしなければならない。もう一段の体質強化が必要で、11年にはその体制が作れると思っている。売上高の規模よりも、利益の方が重要だ」

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