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3Dに熱視線 映画人気が家電に波及

2009年7月25日1時22分

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写真:パナソニックが昨年秋に公開したプラズマテレビとBDプレーヤーを合わせた3D映像システム(同社提供)パナソニックが昨年秋に公開したプラズマテレビとBDプレーヤーを合わせた3D映像システム(同社提供)

写真:ソニーの「4K」のデジタル映写機。右側のレンズから3D映像を映し出す=埼玉県川口市のSKIPシティソニーの「4K」のデジタル映写機。右側のレンズから3D映像を映し出す=埼玉県川口市のSKIPシティ

 映像が飛び出して見える3D(3次元)が活況だ。北米の3D映画の人気が火付け役で、映画館はデジタルの上映設備への投資を加速している。電機大手も3D技術を有力な収益源と位置づけ、テレビやレコーダーなど家電分野での事業化を急ぐ。

 20日に都内であった米国の人気アニメ映画「アイス・エイジ3」の先行試写会(25日公開)。約350人の家族連れが、3D用の黒い眼鏡をかけ、動物や恐竜の迫力ある立体映像に見入った。

 映画の本場、米国では08年から3D映画が人気で、ディズニーは今後のアニメをすべて3Dにする方針。ジェームズ・キャメロン氏ら有名監督がこぞって3Dを手がけ、日本でも上映が相次ぐ。関係者は09年を「3D元年」と位置づけている。

 観客動員が伸び悩む国内外の映画館は、3D上映を売り物にと、専用の映写機やスクリーンの導入を急ぐ。3D作品は通常の映画より料金が数百円高いが、入場者が多くなる傾向で「投資を裏切らない効果が期待できる」(ワーナー・マイカル)ためだ。

 ソニーは、07年に映画館向けのデジタル映写機に参入。独自のプロジェクター技術を土台に、フルハイビジョンの4倍の画素数がある「4K」に対応した映写機を世界で初めて開発。専用レンズをつけると、高画質の3D映像が流せるのが特徴だ。

 米国では、米大手の映画館チェーン2社が採用することで合意した。「米国のスクリーンの映写機の3割程度がソニー製となる」(大治俊哉・デジタルシネマビジネス推進部長)という。今年度末までに、国内でも3D対応のスクリーンが倍増するとされ、現行のデジタル映写機で先行するウシオ電機やNECに攻勢をかける。

 3D化の流れは、映画から家電製品にも波及してきた。

 先陣を切るのはパナソニック。3Dに対応した薄型テレビやブルーレイディスク(BD)を10年に投入する方針だ。テレビには専用眼鏡が必要で、通常の映像も見られる。ソニーも液晶テレビやBD、ゲーム機プレイステーション3を中心に3Dの事業化を検討している。

 パナソニックやソニー、ディズニーなど電機や映画会社の計19社が、3D対応のBDの規格を協議中で、年内にもまとまる。規格が決まることで、レコーダーやテレビの商品化に弾みがつきそうだ。

 「3Dは本流になる。ハリウッドの熱意も高く、連携が重要だ」とパナソニックの小塚雅之理事は話す。同社は、米ロサンゼルスのハリウッド研究所を拠点に、BDソフトの制作態勢を強化中だ。

 電機各社が3D化の事業に本腰を入れるのは、テレビやBDの競争激化で収益が悪化しているため。臨場感のある3D映像を表示できる商品化で先行し、競争力を高める狙いだ。

 3Dブームは過去にもあった。80年代には「ジョーズ3」「13日の金曜日パート3」などが上映された。しかし、「赤青眼鏡」でみる一般的な視聴法は色の再現が劣り、定着しなかった。その後、90年代にフィルムのデジタル化が進んで1秒あたりのコマ数が増え、映像の質が安定し、撮影や編集の幅が広がった。(澄川卓也)

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