2009年8月13日1時30分
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電気自動車の普及に向け、「充電できる場所」を増やす動きが広がっている。ショッピングセンターや駐車場に充電器を置いたり、車庫に専用電源がある住宅を売り出したりといった試みだ。ただ、ガソリンスタンドのような「充電スタンド」については「採算がとれないのでは」との指摘もある。
「全国の販売店に充電器か専用電源を設けたい」。日産自動車の篠原稔常務執行役員はこう語る。日産は電気自動車「リーフ」を10年末から日米欧で販売予定。電池の容量いっぱいに充電して走れる距離は160キロで、満タンにしたガソリン車の走行距離の3分の1どまりだ。15〜30分程度で電池の8割程度まで充電できる「急速充電器」の置き場所を増やし、普及に弾みをつけたいと期待する。
すでに電気自動車を販売中の三菱自動車と富士重工業、東京電力とともに、充電施設の整備を進める協議会を年内に立ち上げる方針だ。
自動車メーカー以外にも対応の動きが出始めた。スーパー大手のイオンは昨年10月、埼玉県越谷市のショッピングセンター「レイクタウン」に急速充電器を置いた。首都高速道路もすでに4カ所に充電器を設置。時間貸し駐車場の「パーク24」は昨年以来、首都圏21カ所の駐車場に電気自動車用の電源を設けた。各社とも利用は無料にしている。
アイフルホームは4月に対応住宅を発売した。車庫に200ボルトのコンセントがついている。タイマーがあり、帰宅時にコードを差しておけば、電気料金の安い夜間に充電できる。
国や自治体も充電網づくりを後押しする。政府は、1台約350万円の急速充電器の本体価格の半額を補助する制度を導入。神奈川県はさらに県内市町村が設置する場合は本体価格と工事費用の半額を上乗せし、東京都も本体価格の4分の1を補助する。
ただ、走っている最中の「電池切れ」の心配に応えるには、かなりの数の充電場所が必要になる。そこで自動車業界が期待するのは、全国に4万カ所あるガソリンスタンドだ。
石油元売りの新日本石油は12日、NECや日本ユニシスとともに、急速充電サービスの実証実験を行うと発表した。NECが急速充電器を提供し、今年10月から来年3月末まで、東京都、神奈川県を中心に全国22カ所の新日石の給油所に充電器を置く。顧客の需要を調査・研究する計画だ。経済産業省の電気自動車普及に向けた環境整備事業を受託した。出光興産やジャパンエナジーも同様の実証試験をする。
昭和シェル石油はすでに3月から、神奈川県藤沢市の給油所に急速充電器を設置。コスモ石油も7月に横浜市の2カ所に充電器を置いている。
ただ、ビジネスとしては、料金設定が問題になる。いまは試験段階なので無料にしているが、利用が増えればそうもいかない。とはいえ、有料「充電スタンド」の経営も簡単ではなさそうだ。ふだんは夜に自宅で充電する利用者が多く、スタンドの利用は緊急時だけと見られるからだ。
このため、資源エネルギー庁が3月に開いた研究会では「給油のビジネスの方法は成立しにくい」との声が大勢。会費で固定収入を確保してサービスを提供する日本自動車連盟(JAF)のようなビジネスモデルが必要になるとの指摘が出ている。(小暮哲夫)